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コロナ支援策の来年4月以降の対応、短観含め企業金融点検し判断=日銀副総裁

2021年12月08日(水)16時18分

日銀の雨宮正佳副総裁は8日、徳島県の金融経済懇談会であいさつし、新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラムの来年4月以降の対応について、12月の日銀短観を含め、企業金融の動向などを点検したうえで、適切に判断していきたいと述べた。写真は7月21日、東京の日銀本源で撮影(2021年 時事通信)

[東京 8日 ロイター] - 日銀の雨宮正佳副総裁は8日、徳島県の金融経済懇談会であいさつし、新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラムの来年4月以降の対応について、12月の日銀短観を含め、企業金融の動向などを点検したうえで、適切に判断していきたいと述べた。

日本ではこれまでに新型コロナウイルスの新規感染者数が減少してきた。一方、新たな変異株の「オミクロン株」が発生し、国内外での感染症の影響を先読みするのは難しい情勢となった。日銀の特別プログラムは3月末に期限を迎えることから、延長の可否判断が注目されている。

雨宮副総裁は、企業を取り巻く金融環境について「対面型サービス業など一部の中小企業になお厳しさが残っているが、全体としては改善している」と総括した。大企業の有力な資金調達手段であるCPや社債の市場については「短観のCP発行環境判断等にみられるように、発行環境はきわめて良好だ」と指摘。銀行の貸出増加ペースの鈍化については「大企業を中心に感染拡大後に予備的に確保した借入金の返済が進んでいるためで、企業の資金繰りの落ち着きを示す動きだ」と述べた。

一方、中小企業を取り巻く金融環境にも改善傾向が見られるものの、「一部では、資金繰りに厳しさが残っている」とし、特に対面型サービスの中小企業は資金繰りの改善が遅れていると語った。

<大規模な金融緩和、「修正する必要ない」>

雨宮副総裁は金融政策の先行きについて、日本の基調的な物価上昇率は徐々に高まってきているが、インフレ率は2%の物価安定の目標を大きく下回っていると指摘。物価目標達成に向けて強力な金融緩和を粘り強く続け、必要があれば、躊躇なく追加緩和する姿勢に変わりはないと強調した。

インフレ率の高まりを受け、米欧の中央銀行は金融緩和の修正に動いている。雨宮副総裁は「物価の上昇が一時的なものであれば、中央銀行はこれを許容し、金融緩和を続けて景気のサポートに専念するのが基本的考え方だ」と話し、日本の物価情勢に照らせば「今のところ、大規模な金融緩和を修正する必要はない」と語った。

<企業の価格転嫁の動きに変化>

雨宮副総裁は感染症の影響について、オミクロン株の発生もあって先行きを見通せる状況にはないとする一方、日銀の中心的シナリオは、来年にかけて日本の景気回復傾向が次第に明確になってくる展開だと述べた。

物価情勢に関連して「需要が堅調な海外市場を含め、仕入れコストの上昇を販売価格に転嫁できている企業が増えてきている」と指摘した。鉄鋼などの素材業種では仕入れコスト上昇分の一定割合を価格転嫁する慣行が定着しているが、その他の業種でこうした動きがどの程度広がっていくか注目していると述べた。

(和田崇彦、杉山健太郎 編集:石田仁志)

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