ニュース速報

ビジネス

米求人件数、3月は812.3万件と過去最高 雇用のミスマッチも

2021年05月12日(水)04時23分

3月の米雇用動態調査は、求人件数が前月比59万7000件増の812万3000件と、2000年12月の統計開始以来最高となった。写真は5月10日、カリフォルニア州で撮影(2021年 ロイター/Mike Blake)

[ワシントン 11日 ロイター] - 米労働省が11日に発表した3月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が前月比59万7000件増の812万3000件と、2000年12月の統計開始以降で最高を記録した。ただ、採用件数は求人件数ほど伸びず、労働者不足が雇用拡大の妨げになっていることが示された。

市場予想は750万件だった。

ムーディーズ・アナリティクスのシニアエコノミスト、ソフィア・コロペッキィ氏は「新型コロナウイルスの規制が解除される中、多くのビジネスが再開しているものの、コロナ前の正常な状態に戻ろうとする企業の熱意とは裏腹に、多くの労働者は職場復帰をちゅうちょしており、雇用のミスマッチが起きているようだ」と指摘した。

エコノミストらは、失業給付の延長が失効を迎えるにつれ、企業が賃金を引き上げ、ワクチン接種が一段と進展すれば雇用のミスマッチは解消されると予想。ただし、原材料不足が雇用を妨げる恐れもあるという。

求人件数の内訳は、宿泊・飲食サービスが18万5000件増加。州・地方政府の教育分野で15万5000件増加した。芸術・娯楽・レクリエーションは8万1000人増加。製造業、貿易、運輸、公益、金融でも増加したが、医療や社会支援では減少した。

地域別では北東部と中西部が増加した。

3月の求人件数1件に対する失業者の割合は1.2人。コロナ前は0.82人だった。

求人率は2月の5.0%から5.3%に上昇した。

採用件数は600万件と前月の580万件から増加。州・地方政府の教育分野が増加したほか、教育サービス、鉱業、木材でも増加した。採用率は4.2%と2月の4.0%から上昇した。

レイオフ件数は150万件と前月の170万件から減少し過去最低となった。レイオフ率は1.0%と2月の1.2%から低下した。

自発的な離職件数は2月の340万件から350万件に増加。自発的な離職率は2.4%と変わらずだった。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、増値税法を可決 26年施行

ワールド

石破首相、経団連で「高い水準での賃上げと価格転嫁に

ビジネス

セブン傘下「ヨーカ堂」買収、ベインとKKRが1兆円

ワールド

インド、石炭火力発電所の脱硫装置義務化見直し 効果
MAGAZINE
特集:ISSUES 2025
特集:ISSUES 2025
2024年12月31日/2025年1月 7日号(12/24発売)

トランプ2.0/中東&ウクライナ戦争/米経済/中国経済/AI......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    ウクライナの逆襲!国境から1000キロ以上離れたロシアの都市カザンを自爆攻撃
  • 3
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリスマストイが「誇り高く立っている」と話題
  • 4
    9割が生活保護...日雇い労働者の街ではなくなった山…
  • 5
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 6
    「自由に生きたかった」アルミ缶を売り、生計を立て…
  • 7
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 8
    「オメガ3脂肪酸」と「葉物野菜」で腸内環境を改善..…
  • 9
    ウクライナ前線での試験運用にも成功、戦争を変える…
  • 10
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 3
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──ゼレンスキー
  • 4
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医…
  • 5
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達し…
  • 6
    9割が生活保護...日雇い労働者の街ではなくなった山…
  • 7
    ウクライナの逆襲!国境から1000キロ以上離れたロシ…
  • 8
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 9
    【駐日ジョージア大使・特別寄稿】ジョージアでは今、…
  • 10
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 3
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?
  • 4
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 5
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 6
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 7
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 8
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 9
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、…
  • 10
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達し…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中