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米ウィーワーク、ソフトバンク提訴 30億ドルの株買い取り撤回で

2020年04月08日(水)11時23分

米シェアオフィス大手ウィーワークの取締役会の特別委員会は7日、筆頭株主のソフトバンクグループが30億ドル相当の株式買い取り計画を撤回したことは不当として、同社を相手に訴えを起こした。サンフランシスコで昨年9月撮影(2020年 ロイター/Kate Munsch)

[7日 ロイター] - 米シェアオフィス大手ウィーワークの取締役会の特別委員会は7日、筆頭株主のソフトバンクグループ<9984.T>が30億ドル相当の株式買い取り計画を撤回したことは不当として、同社を相手に訴えを起こした。

ウィーワークの親会社、ウィーカンパニーの取締役会特別委員会は1日、ソフトバンクが株式買い取り計画を完了しない意向を伝えてきたと明らかにした。

デラウェア州の裁判所に提出された訴状によると、取締役2人で構成する特別委は、ソフトバンクの計画撤回は違法で、契約義務に反していると主張。当初の計画を完了させるか、撤回で被る被害を補償するよう求めた。

ソフトバンクは声明で、特別委のこの日の提訴はソフトバンクの買い取り撤回の決定に対し信頼できる形で反論するものではなかったとし、争う姿勢を示した。

ソフトバンクは昨年10月に合意したウィーワーク支援策の一環で株式買い取りを行う計画だった。その後、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて自宅で働く人が増える中、ウィーワークのオフィス利用率は大幅に落ち込んでいる。

ソフトバンクは前週、株式買い取り計画の撤回をウィーワーク側に伝えた際、複数の条件が満たされていないことが撤回の理由だと説明。ウィーワークが米当局から民事・刑事の調査を受けていることや、同社の中国合弁会社の再編を巡る問題に加え、新型ウイルスの影響に言及していた。

ウィーワークはこれに対し、当局による調査は事業に大きな影響を及ぼすものではないと反論。中国事業を巡っても、ソフトバンクはウィーワークの少数株主であるトラストブリッジ・パートナーズとの間で代替案を模索したため、株式買い取りを撤回する権利はないと主張した。

トラストブリッジのコメントは現時点で得られていない。

ソフトバンクと傘下のビジョンファンドは現在、ウィーワークの株式52.3%を保有する。10月に合意した金融支援の大部分はすでに提供済みだが、約11億ドル相当の担保付優先債は株式買付の完了が条件となっていた。

ソフトバンクは、テクノロジー企業などの投資先が不調となり、物言う株主エリオット・マネジメントの圧力にさらされる中、自社株買いと負債削減のため、最大4.5兆円の保有資産の売却もしくは資金化を行うと発表している。

*内容を追加しました。

ロイター
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