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中国の預金準備率、適切な引き下げが必要=人民銀行

2018年06月19日(火)20時24分

 6月19日、中国人民銀行(中央銀行)は同日公表したワーキングペーパーで、金融機関の負担を和らげるため、適切に預金準備率を引き下げる必要があるとの認識を示した。写真は北京にある中国人民銀行本部。2014年4月撮影(2018年 ロイター/Petar Kujundzic/File Photo)

[北京 19日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は19日公表したワーキングペーパーで、金融機関の負担を和らげるため、適切に預金準備率を引き下げる必要があるとの認識を示した。

ただ、中国は依然として発展途上国のため、預金準備率を相対的に高い水準に維持する必要があるともしている。

市場では、米中貿易摩擦が拡大する中、中国が近く政策を変更して景気を支えるとの見方が浮上している。

中国人民銀行はこの日、期間1年の中期貸出ファシリティー(MLF)を通じて金融機関に2000億元(310億2000万ドル)を供給したことを明らかにした。流動性や米中貿易摩擦の影響に対する懸念が背景にあるとみられる。資金供給の直前には、トランプ米大統領が2000億ドル規模の中国製品に対し、10%の追加関税を課すと警告していた。

人民銀行はワーキングペーパーで、簿外の金融活動に対する取り締まりが、銀行に対する圧力となっていると指摘。当局が地方政府や企業の債務増大の抑制に動いていることにも触れた。

ワーキングペーパーは「中国は金融機関の負担を軽減し、金利の波及メカニズムを円滑にするため、適切に預金準備率を引き下げる必要がある」とし「金融市場のリスクは効果的に解除されているが、銀行の自己資本比率や準備は明らかに制約されている」と指摘した。

人民銀行は4月、大半の銀行の預金準備率を予想外に引き下げた。

中国経済は借り入れコストの上昇や高リスク融資の取り締まりを背景に減速するとみられており、アナリストの間では、一段の預金準備率の引き下げを予想する声が多い。

ノムラのエコノミストは、今月か来月に預金準備率が100ベーシスポイント(bp)引き下げられる可能性が十分にあると予想。人民銀行が、様々な手段を通じて、さらに直接資金を供給するとの見方も示した。ただ、政策金利は据え置く可能性が最も高いという。

人民銀行は、中国の金融政策を、預金準備率や貸出制度などの数量・流動性に基づく方式から、市場金利という価格に基づく方式に移行することが急務だとも指摘。市場金利、預金金利、貸出金利を段階的に統一する方針も示した。

ただ、金融政策を一夜にして変えることはできないとの見方も示した。

人民銀行は、人民元の変動をさらに容認し、市場ベースの為替改革を急ぐ必要があるとも主張した。

*内容を追加しました。

ロイター
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