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コマツ、今期営業利益24.8%増 日立建機は円高想定で減益予想

4月26日、コマツは2019年3月期の連結営業利益(米国会計基準)が前期比24.8%増の3390億円になるとの見通しを発表した。主力の建機・車両部門では円高の影響が見込まれるものの、米社買収に伴う一時費用の影響が少なくなる。産業機械も増収増益を見込む。写真は都内で2013年1月撮影(2018年 ロイター/Shohei Miyano)
[東京 26日 ロイター] - コマツ<6301.T>は26日、2019年3月期の連結営業利益(米国会計基準)が前期比24.8%増の3390億円になるとの見通しを発表した。主力の建機・車両部門では円高の影響が見込まれるものの、米社買収に伴う一時費用の影響が少なくなる。産業機械も増収増益を見込む。
トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト21人の予測平均値は3644億円で、会社予想はこれを下回った。
19年3月期の売上高予想は前期比0.1%増の2兆5030億円、当期利益予想は同15.1%増の2260億円。1株当たりの配当金は同12円増の96円を見込む。
主要7建機の年間需要は、前年比5─10%増加を予想。会見した堀越健CFO(最高財務責任者)は「需要の増加傾向は変わらない」との見方を示した。中国は同20─30%増、米国は同5─10%増を見込むという。
業績予想の前提となる為替レートは1ドル=100円、1ユーロ123円、1人民元15.8円。為替については保守的にみており、為替影響を除くと、建機・車両部門の売上高は海外全地域でプラスとなるとしている。
<原材料価格の上昇の影響は売価引き上げなどで吸収>
米重機メーカー大手のキャタピラー
コマツも「鋼材など原材料の価格は上昇している」(堀越CFO)としたものの、販売価格の引き上げや、利益率の高い新興国での販売比率の増加などでカバーするという。
米国は中国からの輸入品に対して関税をかける方針を示している。同社は中国で生産した部品を米国に輸出しており、原価ベースで40億円程度の影響が出ることを見通しに織り込んでいる。全体の販売価格の上昇で吸収する方針だ。
<18年3月期の営業利益は前期比56%増>
18年3月期の売上高は前期比38.7%増の2兆5011億円、営業利益は同56.0%増の2715億円、当期利益は同73.2%増の1964億円だった。北米、中国、アジアなどを中心に全地域で建設機械・車両の売り上げが増加した。
売上高の増加は、17年4月に買収を完了した米国の鉱山機械大手ジョイ・グローバル社(新社名:コマツマイニング)を新規に連結した効果もあった。
<日立建機の19年3月期は減収減益予想>
一方、日立建機<6305.T>が26日発表した19年3月期の連結業績(IFRS)見通しは、売上高が前期比1.0%減の9500億円、営業利益が前期比10.2%減の840億円だった。需要が堅調で販売増加を見込むが、想定為替レートを保守的に設定したことが影響した。
トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト16人の営業利益予測の平均値は1018億円で、会社予想はこれを下回った。
19年3月期の想定為替レートは1ドル100円、1ユーロ120円、1人民元15.5円。会見した桂山哲夫執行役専務は「社内の想定レンジの下限」と述べた。
為替が1円変動した場合の営業利益に与える年間の影響額はドルが17億円、ユーロが7億円、人民元が3億円という。
18年3月期の売上高は前期比27.2%増の9591億円、営業利益は同3.3倍の935億円だった。
*内容を追加しました。
(杉山健太郎)