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ヘッジ付・オープン外債増加=明治安田生命運用計画
4月24日、明治安田生命は発表した2018年度の運用計画で、為替ヘッジ付き外債の残高を増加させる方針を示した。2009年7月撮影(2018年 ロイター)
[東京 24日 ロイター] - 明治安田生命は24日発表した2018年度の運用計画で、為替ヘッジ付き外債の残高を増加させる方針を示した。オープン外債、円債、国内株式の残高もやや増加とする。クレジット資産は高水準の利回りを確保できる良質な案件を厳選し、積み増していく。
一方、外国株式等はやや減少させる計画だ。
<2つの「可変枠」>
同社は18年度の円貨建て保険の投資財源として2兆5000億円弱を見込む。このうち20%を国内外のクレジット投資に、15%を国内貸付・国内外の株式等に配分する計画。残りを2つの「可変枠」に割り当てる。
まず円債やヘッジ付外債に対し、内外金利やヘッジコストなどに応じて資産配分を変えて投資する枠として、投資財源の50%を配分。オープン外債や国内株式(ファンド投資などを含む)に対し、リスク量を見極めつつ配分を調整する投資枠は、15%に設定する。
ただし円債とヘッジ外債の枠については「日本国債は、20年債、30年債の金利が上がってくれば買うことになるかもしれないが、(低金利継続を予想している)今年度の相場見通しの下では難しい」(執行役副社長の山下敏彦氏)という。ドルのヘッジコストが高い中では、米国債よりも利回りの高い社債などクレジット物を為替ヘッジをかけて投資していく方針だ。
オープン外債と国内株式の可変枠においては、今年度の想定レンジである1ドル100─118円の「下の方にいけば、オープン外債を買ってもいいタイミングだと認識する」と山下氏は話している。一方、国内株については、リスク係数が20%とオープン外債の10%よりも高いこともあって、あくまで市場動向次第としている。
外債全体に関しては「オープンもヘッジ付もドルのウエートが高い。今の構成を変えていくということはなく、中心的な通貨として考えたいのはドルになる」(山下氏)としている。
外国株式等は、残高に含まれる優先出資証券の減少が今年度は見込まれるため、やや減少させる計画とした。
<ヘッジ付・オープンの保有比率ほぼ半々>
同社の17年度末のポートフォリオ状況(速報)によると、外債残高は簿価ベースで6900億円増した(決算取引を除くベース)。米国の住宅ローン担保証券(RMBS)を買い入れたほか、メガバンクが海外で発行するTLAC(Total Loss-Absorbing Capacity)適格シニア債への投資も行った。
内訳としてオープン外債は800億円、ヘッジ付外債は6100億円増加した。オープン外債は第4・四半期の円高局面で、ヘッジ付外債も海外金利水準を考慮し主に同四半期に積み増した。同年度末のヘッジ付とオープンの保有割合は、ほぼ半々という。
クレジットに関しては、2019年度までの3カ年で、国内と海外でそれぞれ8000億円の投融資を行う計画を掲げている。17年度の進捗状況は国内クレジットが計画の約40%に相当する3300億円。AT1債(CoCo債=偶発転換社債=と呼ばれる債券の一種)の発行状況に応じて対応を前倒しした。
海外クレジットは約30%に相当する2400億円だった。昨年6月から海外公募社債の投資を開始しており、同社は進捗状況は順調との認識を示している。
今年度の相場見通し(レンジと年度末)は以下の通り。▼はマイナス。
日本国債10年物利回り ▼0.10%─0.20% (年度末0.10%)
米10年債利回り 2.30%─3.30% (同2.90%)
日経平均 2万0000─2万4000円 (同2万3000円)
米ダウ 2万2000─2万7000ドル(同2万5500ドル)
ドル/円 100─118円 (同110円)
ユーロ/円 125─146円 (同137円)
(長田善行、竿代真一 編集:田中志保)