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米3月PPI0.3%上昇、予想上回る 食品・医療費が値上がり
4月10日、3月の米卸売物価指数は前月比0.3%上昇と、市場予想の0.1%上昇を上回った。写真は2015年9月、ニューヨーク証券取引所前で撮影(2018年 ロイター/Carlo Allegri)
[ワシントン 10日 ロイター] - 米労働省が10日発表した3月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比0.3%上昇と、市場予想の0.1%上昇を上回った。
医療費や食料品が値上がりし、全体水準を押し上げた。卸売物価圧力が安定的に増していることを示した。
2月は0.2%上昇していた。
3月の前年同月比は3.0%上昇。市場予想は2.9%上昇だった。2月は2.8%上昇していた。
食品とエネルギー、貿易サービスを除いたコア物価は前月比0.4%上昇した。3カ月連続で0.4%上昇している。前年同月比は2.9%上昇と、2014年8月以来の大幅な伸びとなった。2月は2.7%上昇していた。
キャピタル・エコノミクスの首席米国エコノミスト、ポール・アシュウォース氏は「卸売物価に対する上昇圧力は間もなく消費者物価押し上げにつながり、米連邦準備理事会(FRB)が年内あと3回の利上げを後押しする可能性がある」と語った。
卸売物価が広範な項目にわたり上昇したことは、今年は物価全体が上昇ペースを上げるとの見方を後押しする。労働市場の引き締まりとドル安、1兆5000億ドル規模の減税政策、財政出動を背景に物価は今年、米連邦準備理事会(FRB)が目標とする2%に達するとエコノミストらはみている。
FRBが物価の目安として注目している個人消費支出(PCE)のコア物価指数は2月に前年同月比で1.6%上昇した。それまでは4カ月連続で1.5%上昇にとどまっていた。
FRBは3月に金利を引き上げ、年内にあと2回利上げする見通しを示した。
PPIの前月比の内訳は、サービスが3カ月連続で0.3%上昇。サービスは3月にPPIの上昇要因の70%を占めた。病院外来費が0.4%上昇したことがサービスの主な値上がり要因だった。医療費全体は0.3%上昇。医療費はコアPCE物価指数の算出に組み込まれる。
そのほか、航空運賃やケーブルテレビと衛星放送加入費用も上がった。
モノは0.3%上昇し、2月の0.1%下落からプラスへ転じた。食品が2.2%上昇と、14年4月以来の大幅な伸びとなり、モノの物価を押し上げた。食品は前月まで3カ月連続で落ち込んでいた。食品の中でも未加工の魚と鶏肉、卵、そして生鮮・乾燥野菜の値上がりが目立った。
一方、衣料や靴、無線通信サービスは値を下げた。
ガソリン価格は3.7%下落。2月は1.6%下落していた。
FTNフィナンシャルの首席エコノミスト、クリス・ロー氏は「今回確認された物価上昇圧力は、第1・四半期にみられた堅調な世界経済成長の伸びと過去16カ月のドル安を一部反映した」と指摘。同時に「いずれにせよ、卸売物価が上昇基調にあることに疑いの余地はない」との認識を示した。
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