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邦銀が外債売り加速、2月は3.5兆円 17年4月以来の大きさ
3月8日、銀行勢の米債売りが加速している。財務省が発表した2月の対外及び対内証券売買契約等の状況(指定報告機関ベース)によると、銀行は外債(中長期債)を3兆5157億円売り越した。17年4月以来の大きさだ。写真は都内で2010年9月撮影(2018年 ロイター/Yuriko Nakao)
[東京 8日 ロイター] - 銀行勢の米債売りが加速している。財務省が8日発表した2月の対外及び対内証券売買契約等の状況(指定報告機関ベース)によると、銀行は外債(中長期債)を3兆5157億円売り越した。17年4月以来の大きさだ。金利上昇を警戒した米債の売りとみられている。
市場では「3月の米利上げ観測が強まる中、先行き米金利の上昇が続くと判断した銀行勢が期末決算をにらんで処分売りを行ったもよう」(国内金融機関)との指摘が出ている。
一方で、非居住者の日本国債(中長期債)の売り越し額は618億円にとどまった。2月中旬までは売り越していたが、下旬に一気に買い戻した格好。市場では「日銀の金融政策変更への思惑が強まった1月から海外勢は売り越し基調にあったが、2月下旬にかけて、政策変更はないとの見方が優勢となり、買い戻しの流れになった」(同)という。
また、1月対外・対内証券投資(速報)によると、地域別内訳でみた対外証券投資は、居住者の米債(中長期債)売り越し額が9714億円となった。一方で、ドイツ国債を9384億円、フランス国債を1兆2521億円買い越した。
銀行勢で2月も同様に米債売り越しを続けているとみられている一方、生保は為替ヘッジを付けずにオープンで平準買いを続けたとの見方が多い。
欧州債に関しては「為替ヘッジを付けてもプレミアムが取れるため、生保が買い増したようだ」(別の国内金融機関)との観測が出ている。欧州中央銀行(ECB)の資産買入れ縮小(テーパリング)があるものの、米国のような利上げには距離があることも欧州債には買いやすさがあったとみられている。
(伊藤武文)