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ECB資産買い入れ、インフレ押し上げ効果なし=独連銀論文

2017年08月25日(金)21時08分

 8月25日、ドイツ連銀は研究論文を発表し、ECBの資産買い入れプログラムは成長を下支えしたがインフレ率を押し上げる効果はなく、金融が不安定化するリスクを高めた可能性があると指摘した。ベルリンで2015年撮影(2017年 ロイター/Rainer Jensen)

[フランクフルト 25日 ロイター] - ドイツ連邦銀行(中央銀行)は25日、欧州中央銀行(ECB)の資産買い入れプログラムに関する研究論文を公表した。資産買い入れは成長を下支えしたがインフレ率を押し上げる効果はなく、金融が不安定化するリスクを高めた可能性があると結論付けた。

「直接的な資産買い入れによるECBのバランスシート政策が、危機後の金融ストレスを一定期間抑制したことが明らかになった」と分析した。その上で「その後はストレスが危機以前の水準まで高まり、プラスの効果はなくなった」との見方を示した。

「同時に資産買い入れは経済活動を活発化させる一方で、物価には重要な効果を及ぼしていない」との見解を示した。

「われわれの分析によると(資産買い入れは)ドイツとユーロ圏への影響はプラスだが、金融安定のリスクが高まった可能性がある」と指摘した。

ECBが潤沢な資金を供給すれば、銀行は融資の損失引当を減らし、リスクの高い貸し出しを増やすとし、最終的には金融安定へのリスクが高まる恐れがあると主張した。

論文は独連銀の見解を表していない。

ロイター
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