ニュース速報

ビジネス

カナダ中銀総裁・副総裁「利下げ役割達成」、7月利上げ観測強まる

2017年06月29日(木)07時25分

 6月28日、カナダ中銀のポロズ総裁は、15年に実施した利下げがその役割を成し遂げたとし、余剰生産能力が使い果たされる中、カナダ中銀は選択肢を検討する必要があるとの見解を示した。5月撮影(2017年 ロイター/Edgard Garrido)

[トロント/カルガリー(加アルバータ州) 28日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)のポロズ総裁とパターソン副総裁は28日、2015年に実施した利下げは役割を果たしたとの見解を示した。これを受け、7月12日の次回会合で利上げが決定されるとの観測が高まっている。

ポロズ総裁とパターソン副総裁は、2年前の利下げにより原油価格の下落の影響をやり過ごすことができたとし、カナダ経済は最悪期を脱したと指摘。超低金利環境を終わらせる時期が来たと考えていることを示唆した。

ポロズ総裁はCNBCとインタビューで、2015年に実施した利下げがその役割を成し遂げたとし、余剰生産能力が使い果たされる中、カナダ中銀は選択肢を検討する必要があるとの見解を表明。「こうした(2015年の)利下げはその役割を成し遂げたようにみえるが、われわれは新たな金利決定に近づきつつあり、先入観は持ちたくない」と語った。

同時に「少なくとも、余剰生産能力が着実に使い果たされつつあるという全体的な状況に配慮する必要があることは明白だ」とした。

総裁は、カナダ経済が第1・四半期に予想外に堅調な成長を記録したと指摘。今後、成長の緩やかな鈍化が見込まれるものの、大幅に減速することはないとの見通しを示した。

ポロズ総裁の発言を受け、金融市場ではカナダ中銀が43%の確率で7月に利上げを実施するとの見方が織り込まれた。総裁の発言前には30%となっていた。

カナダドルも上昇し、4カ月ぶり高値をつけた。

パターソン副総裁はカルガリーで金融アナリストを対象に行った講演で、対話や調査を通して収集した情報が中銀の意思決定に大きな役割を果たしていると指摘。30日発表予定の「ビジネス・アウトルック調査」などを通して中銀は他では得られないタイムリーな情報を得られたとし、特に先行き不透明性が高まっている時にこうした情報は特に重要となているとの考えを示した。

「ビジネス・アウトルック調査」が堅調なら中銀はよりタカ派的になる可能性があると見られている。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

NZ中銀、政策金利0.5%引き下げ 追加緩和を示唆

ワールド

中国工業部門利益、10月は前年比10%減 需要低迷

ビジネス

米アムジェンの肥満症薬、試験結果が期待に届かず

ビジネス

豪上院委員会、16歳未満のソーシャルメディア禁止法
MAGAZINE
特集:老けない食べ方の科学
特集:老けない食べ方の科学
2024年12月 3日号(11/26発売)

脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす──最新研究に学ぶ「最強の食事法」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳からでも間に合う【最新研究】
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式トレーニング「ラッキング」とは何か?
  • 4
    放置竹林から建材へ──竹が拓く新しい建築の可能性...…
  • 5
    「健康食材」サーモンがさほど健康的ではない可能性.…
  • 6
    こんなアナーキーな都市は中国にしかないと断言でき…
  • 7
    早送りしても手がピクリとも動かない!? ── 新型ミサ…
  • 8
    トランプ関税より怖い中国の過剰生産問題
  • 9
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 10
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 6
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳か…
  • 7
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 8
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中