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出光創業家と経営陣、昭和シェルとの統合めぐる協議は平行線
7月11日、昭和シェル石油 との経営統合をめぐり、出光興産の経営陣と、白紙撤回を求めている創業家側が、都内で会談した。創業家の代理人は記者団に、話し合いは「平行線」に終わったと述べ、事態打開への進展がなかったことを明らかにした。写真は都内で2015年11月撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 11日 ロイター] - 昭和シェル石油 <5002.T> との経営統合をめぐり、出光興産 <5019.T>の経営陣と、白紙撤回を求めている創業家側が11日、都内で会談した。会談に同席した創業家の代理人は記者団に対し、話し合いは「平行線」に終わったと述べ、事態打開への進展がなかったことを明らかにした。
一方、出光の関大輔副社長は同日夕方、記者会見し、石油需要の減少を背景に「今回の統合は何としても実現しないといけない」と強調。そのうえで、「創業家は我々が目指す新会社でも筆頭株主になると予想される。今後とも信頼関係の維持に努める」と述べた。
会談には出光経営陣からは月岡隆社長ら、創業家側からは名誉会長の出光昭介氏らが出席した。創業者の長男で元社長の昭介氏の代理人を務める浜田卓二郎弁護士は、会談後、記者団に、「今まで言った通りの主張を変えないということを申し上げた」と述べた。
浜田氏は今後も話し合いは続けていくとしたが、次回の会談の日程は未定としている。
<経営陣、公取委審査後の説得に期待>
関副社長は、昭和シェルとの統合に係る公正取引委員会による審査が続く中で、「創業家の不安を増幅している」と説明した。同氏は、「統合の詳細を関係者で詰めることができず、新会社の具体的な絵姿を示すことができない」ことが事態を難しくしているという。
出光経営陣は、公取委の承認を得て、英蘭系石油大手ロイヤル・ダッチ・シェル
関氏は、「株を取得後、(統合の詳細について)具体的な説明ができれば、(創業家は)安心されると思う」と述べた。
*出光経営陣の会見の内容を加えました。
(浦中大我、浜田健太郎 編集:吉瀬邦彦)