ニュース速報

ビジネス

米3月耐久財受注0.8%増、市場予想下回る

2016年04月27日(水)00時23分

 4月26日、3月の米耐久財受注は前月比0.8%増と市場予想の1.8%増を下回った。写真はミシガン州のフォード工場。昨年8月撮影。(2016年 ロイター/Rebecca Cook)

[ワシントン 26日 ロイター] - 米商務省が26日発表した3月の耐久財受注は前月比0.8%増と市場予想の1.8%増を下回った。自動車やコンピューター、電子機器が落ち込み、全体の重しとなった。製造業の低迷はまだ終わりからほど遠いことを示唆した。

耐久財はトースターから航空機まで、3年以上持つモノを指す。

2月の数字は当初発表の3.0%減から3.1%減に下方修正された。

民間設備投資の先行指標とされている非国防資本財から航空機を除いた3月のコア受注は、横ばいだった。市場予想は0.8%増だった。2月の数字は当初発表の2.5%減から2.7%減に下方修正された。

統計発表後、米国債は下落幅を圧縮。米株価指数の先物は上昇幅を縮めた。ドル<.DXY>は主要通貨に対して下落した。

米連邦準備理事会(FRB)は26日から2日間の日程で連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。27日には政策金利の据え置きを発表すると見込まれている。FRBは昨年12月に9年半ぶりに利上げに踏み切った。

為替のドル高傾向が和らぐにつれて、最近の製造業関連の調査のほとんどが、先行きについて比較的前向きな見方を示していた。ただ鉱工業生産や製造業受注などの「ハードデータ」と言われる実績を表す指標は依然として低調だ。

製造業は米経済の12%を占める。最近までのドル高の影響が長引いていることや海外需要が弱いことが重しとなっている。

ドルは今年に入り、米国の主要な貿易相手国の通貨に対して2.7%下落している。2014年6月から昨年12月にかけては約20%値上がりしていた。

長引く原油安の影響を受けて油田サービスのシュルンベルジェや資源開発サービス大手ハリバートンなどの石油関連企業が投資を削減していることも逆風となっている。また、企業が積み上がった在庫を解消していることも受注の減少につながっており、製造業の重しだ。

3月の耐久財受注の内訳は、国防関連の航空機が65.7%増えた。輸送機器全体では2.9%増だった。

民間航空機は5.7%減だった。ただ、米航空機大手ボーイングのウェブサイトによると、同社の3月の受注は69件と、2月の2件から増加した。

自動車・同部品は3.0%減だった。自動車販売は昨年に過去最高を記録して以来、この数カ月は需要が弱含んでいる。

一次金属と一般機械は増えた。一方でコンピューターと電子機器は減少。電機・家電も落ち込んだ。

国内総生産(GDP)算出に用いられるコア資本財の出荷は0.3%増と、2月の1.8%減からプラスへ転じた。

緩慢な出荷は、小売売上高や貿易、鉱工業生産、企業支出など、米経済が第1・四半期にさらに鈍化したことを示す軟調な統計と一致する。昨年第4・四半期GDPは年率1.4%増にとどまった。

第1・四半期GDPの市場予想は下限が0.3%増となっている。GDPの速報値は28日に発表される。

3月の受注残高は0.1%減だった。過去4カ月のうち3カ月で落ち込んでいる。在庫は前月まで2カ月連続でマイナスだったが、3月は横ばいだった。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏の習主席との対話巡る発言、中国は「非常に

ビジネス

中国の住宅差し押さえ、昨年増加 37万戸が競売対象

ビジネス

日本製鉄の訴訟提起、クレジットにはネガティブ=ムー

ビジネス

経済3団体新年祝賀会、物価上昇上回る賃上げ定着に意
MAGAZINE
特集:中国の宇宙軍拡
特集:中国の宇宙軍拡
2025年1月14日号(1/ 7発売)

軍事・民間で宇宙覇権を狙う習近平政権。その静かな第一歩が南米チリから始まった

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流行の懸念
  • 2
    「日本製鉄のUSスチール買収は脱炭素に逆行」買収阻止を喜ぶ環境専門家たちの声
  • 3
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──ゼレンスキー
  • 4
    空腹も運転免許も恋愛も別々...結合双生児の姉妹が公…
  • 5
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 6
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 7
    ウクライナ水上ドローンが「史上初」の攻撃成功...海…
  • 8
    ウクライナの「禁じ手」の行方は?
  • 9
    真の敵は中国──帝政ロシアの過ちに学ばない愚かさ
  • 10
    プーチンの後退は欧州の勝利にあらず
  • 1
    真の敵は中国──帝政ロシアの過ちに学ばない愚かさ
  • 2
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流行の懸念
  • 3
    カヤックの下にうごめく「謎の影」...釣り人を恐怖に突き落とした「超危険生物」との大接近にネット震撼
  • 4
    地下鉄で火をつけられた女性を、焼け死ぬまで「誰も…
  • 5
    早稲田の卒業生はなぜ母校が「難関校」になることを…
  • 6
    ザポリージャ州の「ロシア軍司令部」にHIMARS攻撃...…
  • 7
    青学大・原監督と予選落ち大学の選手たちが見せた奇跡…
  • 8
    「これが育児のリアル」疲労困憊の新米ママが見せた…
  • 9
    「日本製鉄のUSスチール買収は脱炭素に逆行」買収阻…
  • 10
    イースター島で見つかった1億6500万年前の「タイムカ…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 3
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 4
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼ…
  • 5
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 8
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 9
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 10
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中