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イタリアが成長予想下げ、来年の財政再建目標を大幅緩和=文書
4月8日、イタリアが今年と来年の成長予想を引き下げるとともに、来年の財政再建目標を大幅に緩めたことが分かった。写真はレンツィ伊首相。7日撮影。(2016年 ロイター/Remo Casilli)
[ローマ 8日 ロイター] - イタリア財務省が最新の経済・財政見通しで、今年と来年の成長予想を引き下げるとともに、来年の財政再建目標を大幅に緩めたことが分かった。ロイターが草案を入手した。
見通しは2017年予算の土台となるもので、イタリアの財政再建への取り組みは不十分として不満を抱いている欧州委員会との間で、新たな火種となる可能性がある。
草案によると、成長率は今年が1.2%、来年が1.4%としており、両年ともに1.6%としていた従来予想から下方修正した。
今年の財政赤字削減目標は国内総生産(GDP)比2.4%から2.3%としたが、2017年については1.1%から1.8%に大きく緩和した。
イタリアの成長率は2015年が0.8%と、ユーロ圏平均の半分の水準にとどまっており、域内でもとりわけ景気低迷が顕著だ。
公的債務は昨年、GDP比132.6%と過去最高に達した。これはユーロ圏内ではギリシャに次ぐ水準。草案では今年が132.4%とし、従来目標の131.4%から緩めた。
成長押し上げを重視するレンツィ伊首相は、厳しい財政再建を求める欧州委員会と度々衝突している。
今回の草案でも「国際情勢を踏まえると、デフレと停滞の現実的なリスクが存在する」などとし、緊縮財政は逆効果と訴えた。
2016年のインフレ率は0.2%と、昨年の0.1%から若干の加速にとどまると見込まれている。