ニュース速報

ビジネス

欧州市場サマリー(26日)

2015年03月27日(金)04時23分

[26日 ロイター] - <為替> ドルがユーロに対して上昇した。欧米で金融政策の方向性が異なることが背景。ただ、サウジアラビアなどのアラブ諸国が、イエメンで空爆を開始したことを受け、ドルは安全通貨とされる円やスイスフランに対して下落した。

<ロンドン株式市場> FT100種総合株価指数<.FTSE>が3日続落し、95.64ポイント(1.37%)安の6895.33と大きく値を下げて取引を終えた。テクノロジー関連企業の成長見通しに陰りがみえ、株価にも過熱感があるとする見方が重しになった。

シティグループはこの日、スマートフォン関連産業の見通しを下方修正し、スマホの最大市場である中国との取引が多い銘柄の目標株価を引き下げた。コンピューターや携帯電話のチップを設計するARMホールディングスは4.2%下落した。FT350種テクノロジー・ハードウェア株指数<.FTNMX9570>は3.67%下がった。

航空株も値を下げた。サウジアラビアが湾岸アラブ諸国とともにイエメンで軍事作戦を開始し、北海ブレント原油が約6%急騰したことが嫌気された。ブリティッシュ・エアウェイズを傘下に持つインターナショナル・コンソリデーテッド・エアラインズ・グループ(IAG)は3.4%、格安航空会社(LCC)イージージェットは2.8%値下がりした。

<欧州株式市場> 続落して取引を終えた。株価に過熱感が出ていると懸念されてテクノロジー関連銘柄が売られ、全体水準を押し下げた。

FTSEユーロファースト300指数<.FTEU3>は12.70ポイント(0.80%)安の1574.26で取引を終えた。DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>は14.25(0.39%)安の3669.79だった。

ここ1年のユーロ下落を追い風に、欧州のテクノロジー企業の株価は昨年10月以降約42%値上がりした。テクノロジー部門の株価は向こう1年間の期待利益の20.4倍となっており、STOXX欧州600株指数<.STOXX>の16倍を大きく上回っている。

この日はフィンランドの通信機器大手ノキアやフランスの同業アルカテル・ルーセント、欧州の半導体メーカー最大手のSTマイクロエレクトロニクス、英半導体設計ARMホールディングス、世界第2位の半導体製造装置会社、オランダのASMLが1.9%から4.9%値を下げた。

<ユーロ圏債券> 独連邦債の利回りが低下した。サウジアラビアがイエメンのイスラム教シーア派系の武装組織「フーシ派」への空爆を開始したことを受けて、安全資産とされる独連邦債の投資妙味が増した。

イエメンが内戦の危機に陥ったことで、シーア派主体のイランとイスラム教スンニ派主体のサウジの対立が先鋭化し、中東の武力衝突が制御不能になるのではとの懸念が広がっている。

独10年債利回りは約1ベーシスポイント(bp)低下の0.22%と、過去最低の0.165%に再び迫った。

ただ利回りが一段と低下する公算は小さいとみられている。中東情勢の緊迫を受けて原油価格が6%急上昇しており、インフレ見通しの押し上げ要因になるためだ。

みずほのストラテジスト、ピーター・チャットウェル氏は「サウジのイエメン空爆による影響は複雑」とし、「地政学リスクは独連邦債にとり強材料だが、原油価格の上昇は、今後数カ月に総合インフレ率見通しを押し上げるだろう」と指摘した。

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシア国営TV、米有権者をトランプ氏に誘導か=米情

ワールド

アングル:ハリス対トランプ」TV討論会、互いに現状

ワールド

SNS、ロシア影響下疑惑の投稿にほぼ未対応

ワールド

アングル:サウジに「人権問題隠し」批判、eスポーツ
MAGAZINE
特集:日本政治が変わる日
特集:日本政治が変わる日
2024年9月10日号(9/ 3発売)

派閥が「溶解」し、候補者乱立の自民党総裁選。日本政治は大きな転換点を迎えている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレイグの新髪型が賛否両論...イメチェンの理由は?
  • 2
    メーガン妃の投資先が「貧困ポルノ」と批判される...「アフリカの女性たちを小道具として利用」「無神経」
  • 3
    「令和の米騒動」その真相...「不作のほうが売上高が増加する」農水省とJAの利益優先で国民は置き去りに
  • 4
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 5
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組…
  • 6
    【現地観戦】「中国代表は警察に通報すべき」「10元…
  • 7
    森に潜んだロシア部隊を発見、HIMARS精密攻撃で大爆…
  • 8
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 9
    川底から発見された「エイリアンの頭」の謎...ネット…
  • 10
    死亡リスクが低下する食事「ペスカタリアン」とは?.…
  • 1
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 2
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン」がロシア陣地を襲う衝撃シーン
  • 3
    中国の製造業に「衰退の兆し」日本が辿った道との3つの共通点
  • 4
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組…
  • 5
    死亡リスクが低下する食事「ペスカタリアン」とは?.…
  • 6
    大谷翔平と愛犬デコピンのバッテリーに球場は大歓声…
  • 7
    再結成オアシスのリアムが反論!「その態度最悪」「…
  • 8
    エルサレムで発見された2700年前の「守護精霊印章」.…
  • 9
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
  • 10
    世界最低レベルの出生率に悩む韓国...フィリピンから…
  • 1
    ウクライナの越境攻撃で大混乱か...クルスク州でロシア軍が誤って「味方に爆撃」した決定的瞬間
  • 2
    寿命が延びる「簡単な秘訣」を研究者が明かす【最新研究】
  • 3
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 4
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 5
    ハッチから侵入...ウクライナのFPVドローンがロシア…
  • 6
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 7
    日本とは全然違う...フランスで「制服」導入も学生は…
  • 8
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 9
    ウクライナ軍のクルスク侵攻はロシアの罠か
  • 10
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中