ニュース速報

ビジネス

米FRB、経済の勢い続けば6月利上げも=セントルイス連銀総裁

2015年02月20日(金)09時41分

 2月19日、米セントルイス地区連銀のブラード総裁は19日、利上げまで時間をかけ過ぎれば、米連邦準備理事会(FRB)と米経済に「悲惨かつ破壊的な」影響が及ぶとの認識を示した。ロイターのインタビューで述べた。2011年6月撮影(2015年 ロイター/Peter Newcomb)

[19日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のブラード総裁は19日、利上げまで時間をかけ過ぎれば、米連邦準備理事会(FRB)と米経済に「悲惨かつ破壊的な」影響が及ぶとの認識を示した。ロイターのインタビューで述べた。

失業率は第3・四半期までに5%を下回ると予想。連邦公開市場委員会(FOMC)は来月にも、利上げ決定に「忍耐強く(patient)」臨むという文言を声明から外し、6月利上げに道を開くべきと述べた。

米失業率は現在5.7%で、リセッション時の10%から大幅低下。FRB当局者が考える「正常値」より若干高い水準まで改善した。

総裁は、労働市場が予想外に冷え込めば「改善するまで利上げを待つべき」だが、現在の勢いが続けば「6月の決定が可能」と強調した。

18日に公開された1月のFOMC議事要旨では、「忍耐強い」の文言を外した際の市場の反応を不安視する声があることが分かった。

<利上げ遅れれば経済への影響甚大>

総裁は「FRBの措置が後手に回ること」を心配している、と述べ「ある意味、すでに後手に回っているのかもしれない」と付け加えた。

利上げが遅れれば、FRBは最終的に、より急激な利上げを余儀なくされる可能性があるとし「そうなれば、FRBや経済に深刻な影響が及ぶ。悲惨、かつ破壊的なプロセスとなるだろう」との見方を示した。

総裁は、低金利が数年後には資産バブルにつながることを懸念している、とし、規制当局が適切に防止できるかどうかは疑問だと述べた。

FRB当局者はほぼ全員が年内利上げを見込んでいるが、時期については見解が分かれている。年央の主張がある一方、低インフレとインフレ期待低下を理由に、利上げは先送りすべきと考える向きもある。

ブラード総裁は、市場のインフレ期待低下が数カ月続いていることについて、原油安が原因、と主張。原油価格の安定後もインフレ期待の低下が続けば、初めて懸念する理由になる、と述べた。そのうえで総裁は、ダラス地区連銀が公表した指標ではインフレ率が1.6%と横ばいで、FRBの目標の2%からさほど下がっていないことを指摘した。

ブラード総裁は、タカ派の急先鋒であり、FRBは慎重過ぎるとの立場。第1・四半期中の利上げ開始を主張している。総裁は今年、FOMCの投票メンバーではないが、FOMCの定例会合には出席する。

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

「核被害もっと知るべき」、各国首脳に要請 ノーベル

ワールド

金融政策の口先介入「厳に慎む」、日銀が独自に判断=

ビジネス

米ベイン、富士ソフトに法的拘束力ある提案 1株94

ビジネス

再送-中国の乗用車販売、9月は反転増加 下取り補助
MAGAZINE
特集:米経済のリアル
特集:米経済のリアル
2024年10月15日号(10/ 8発売)

経済指標は良好だが、猛烈な物価上昇に苦しむ多くのアメリカ国民にその実感はない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    エジプト「叫ぶ女性ミイラ」の謎解明...最新技術が明かす意外な死の真相
  • 2
    ビタミンD、マルチビタミン、マグネシウム...サプリメント「3つの神話」の噓を暴く
  • 3
    東京に逃げ、ホームレスになった親子。母は時々デパートに行って「ある作品」を作っていた
  • 4
    「メーガン妃のスタッフいじめ」を最初に報じたイギ…
  • 5
    コストコの人気ケーキに驚きの発見...中に入っていた…
  • 6
    冷たすぎる受け答えに取材者も困惑...アン・ハサウェ…
  • 7
    迫るロシア軍からドネツク州ポクロフスク近郊で、大…
  • 8
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」ものはど…
  • 9
    メーガン妃とヘンリー王子は「別々に活動」?...久し…
  • 10
    誰よりノリノリ...アン・ハサウェイ、友人テイラー・…
  • 1
    「地球が作り得る最大のハリケーン」が間もなくフロリダ上陸、「避難しなければ死ぬ」レベル
  • 2
    キャサリン妃がこれまでに着用を許された、4つのティアラが織りなす「感傷的な物語」
  • 3
    コストコの人気ケーキに驚きの発見...中に入っていた「まさかのもの」とは?
  • 4
    エジプト「叫ぶ女性ミイラ」の謎解明...最新技術が明…
  • 5
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」ものはど…
  • 6
    2匹の巨大ヘビが激しく闘う様子を撮影...意外な「決…
  • 7
    「メーガン妃のスタッフいじめ」を最初に報じたイギ…
  • 8
    ウクライナ軍がミサイル基地にもなる黒海の石油施設…
  • 9
    戦術で勝ち戦略で負ける......「作戦大成功」のイス…
  • 10
    借金と少子高齢化と買い控え......「デフレ三重苦」…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 3
    「地球が作り得る最大のハリケーン」が間もなくフロリダ上陸、「避難しなければ死ぬ」レベル
  • 4
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はど…
  • 5
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ…
  • 6
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する…
  • 7
    エコ意識が高過ぎ?...キャサリン妃の「予想外ファッ…
  • 8
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 9
    キャサリン妃がこれまでに着用を許された、4つのティ…
  • 10
    コストコの人気ケーキに驚きの発見...中に入っていた…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中