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JDIの10―12月期営業益は過去最高、米アップルや中国向け増加

2015年02月12日(木)20時37分

[東京 12日 ロイター] - ジャパンディスプレイ<6740.T>が12日発表した2014年10―12月期の連結業績は、売上高が前年比55.2%増の2511億円、営業利益が同79.5%増の147億円だった。米アップル向け液晶の出荷が拡大したほか、中国スマートフォン(スマホ)向け液晶も前年比で伸びた。2012年4月に発足して以来、四半期ベースで過去最高の売上高と営業利益となった。

アップルのiPhone6/6プラス向けの液晶の出荷は、7―9月期の出荷分がずれ込んだことも結果的に貢献して10―12月期に急増した。

一方で、中国スマホ向け液晶は前年比で伸びたが、従来の想定より減速したという。台湾のタッチパネルメーカー、ウィンテックが破たんした影響で、中国メーカーの製品開発に遅れが生じたのが響いた。

今期の中国スマホ向けの売上高は1800億円を計画していたが、決算説明会で大塚周一社長は「1割程度未達になりそうだ」と述べた。中国市場でアップルのiPhone6販売が好調で、現地スマホメーカーへの影響が懸念されるという。

また10―12月期は、円安進行も売上高と営業利益を押し上げた。12月末に保有するドル資産も営業外に為替差益を計上し、四半期の当期純損益は前年比2.8倍の192億円の黒字だった。

<茂原工場の稼働率9割へ、採算を重視>

14年4―12月期の連結業績は、売上高が前年比11.2%増の5367億円、営業損益が55億円の赤字(前年同期は221億円の黒字)、当期純損益が86億円の赤字(同334億円の黒字)だった。

15年3月期の業績予想は据え置いた。今期は、中国スマホ向け液晶の単価下落やソニー<6758.T>のスマホ向け液晶の減速が響く。さらに、来年4月の閉鎖を決めている深谷工場(埼玉県深谷市)に特別損失を計上するため、最終赤字の見通し。

1―3月期は121億円の営業黒字を達成する計画。中国スマホの減速を懸念する一方で、米アップル向けが年明けも好調に推移していることを織り込んだ。また、同社独自技術のタッチパネル機能を内蔵した「インセル」型液晶の比率を高めて採算改善を目指す。

主力拠点の茂原工場(千葉県茂原市)は生産能力が、ガラス基板ベースで月5万枚まで高まっており、稼働率は10―12月期に80%以上、1―3月期は90%の計画。大塚社長は「3月になれば試作品を含めて9割を相当に超えるところまでいく」と述べ、フル稼働に高まるとの見通しを示した。

このため、工場の稼動を埋めるために無理に注文を獲得する必要がなく「利益を重視して注文を受ける」(同)方針という。

*情報を追加しました

(村井令二 編集:内田慎一)

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