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英、EU離脱通知を直ちに撤回する必要=メージャー元首相
[ダブリン 11日 ロイター] - 英国のジョン・メージャー元首相は11日、欧州連合(EU)離脱について議会で「真剣にかつ徹底的に」検証する時間を確保するため、直ちに加盟国の離脱手続きを定めたEU基本条約(リスボン条約)50条の発動を撤回する必要があるとの考えを示した。
欧州司法裁判所(ECJ)は10日、英国にはEU離脱の決定を一方的に撤回できる権利があると判断。英議会は11日にEU離脱案の採決を予定していたが、メイ首相はこのまま採決すれば大差で否決されるとの見通しから、前日になって採決延期を決定した。
1990─97年に首相を務めたメージャー氏はダブリンで行った講演で、金融市場を沈静化させ、英国民を経済的に守るために、EU離脱のプロセスを休止させる必要があると指摘。「英国はリスボン条約50条の発動を直ちに撤回する必要がある。時計の針を当面、止める必要がある」と述べた。
その上で、「欧州諸国に対する影響力を持っているために米国は英国を価値のある同盟国と見なしており、米国と緊密な関係を築いているために欧州諸国は英国を重んじている」とし、EU離脱は英国の国際的な影響力の低下につながると警告した。
メージャー氏はEU残留派。他の首相経験者とともに、EU離脱の是非を問う国民投票の再実施を呼び掛けていた。