コラム

アジア人への憎悪は理性を超える 「アメリカ差別史」に見る問題の原点

2021年04月06日(火)16時06分

人は自分が聞いたことを「真実」として受け入れ、信じようとする。指導者が問題の捉え方を変えれば、人々の認識や行動も変わるだろう。ジョー・バイデン大統領がアジア人への暴力を非アメリカ的で間違っていると糾弾すれば、暴力は減る。

アメリカはゆっくりと、大きな緊張と苦悩を伴いながら、人種・部族的な偏見から抜け出してきた。こんにちのアメリカの権力構造は、アメリカの真の多様性を反映しつつある。出自や信条に関係なく、個人がかつてないほど大きな権利や機会を手にしている。黒人の大統領が誕生した。バイデンはアイルランド系カトリック教徒だ。女性と黒人とアジア人は、社会のあらゆる場面でますます重要な地位を占めている。

こうした社会の深遠な変化は、トランプによって自己防衛的な憤りとして悪用され、アジア人への暴力が急増する一因になった。しかし一方で、白人至上主義者や社会に疎外された人々からの反民主主義的な圧力を克服できれば、そのような暴力は減る──アメリカの歴史はそう教えている。

ニューズウィーク日本版 AI兵士の新しい戦争
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年1月13号(1月6日発売)は「AI兵士の新しい戦争」特集。ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


プロフィール

グレン・カール

GLENN CARLE 元CIA諜報員。約20年間にわたり世界各地での諜報・工作活動に関わり、後に米国家情報会議情報分析次官として米政府のテロ分析責任者を務めた

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米金融大手、利下げ予想を後ずれ JPモルガンは27

ワールド

米NEC委員長、パウエル氏捜査に距離 FRBと司法

ワールド

トランプ氏、米ブラックロックCIOと15日面接 F

ワールド

イラン外相、反政府デモ「完全に掌握」と表明
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救った...実際の写真を公開、「親の直感を信じて」
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    筋力はなぜパワーを必要としないのか?...動きを変え…
  • 7
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 8
    美男美女と話題も「大失敗」との声も...実写版『塔の…
  • 9
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 6
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 7
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 8
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 9
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story