コラム

92年かかったドイツの賠償支払い

2010年09月30日(木)16時14分

 昨日は、第二次大戦でもたらした犠牲を償うため日本がいまだに中国に毎年12億ドルの援助をしている不思議について書いた。だが、大昔の戦争のために今も賠償金を支払い続けている国は他にもあった。ABCニュースによると、ドイツは第一次大戦の講和条約である1919年のベルサイユ条約で課された賠償金を支払い続けてきた。今週の日曜、遂にその支払いが終わるという。


 東西ドイツ統一の20周年を迎える10月3日は、奇しくも第一次大戦に幕を引く日にもなった。ドイツは敗戦後92年を経て、ようやく賠償金の支払いを終えることになる。

 ドイツ政府は、第一次大戦後に戦勝国に要求された莫大な賠償金の支払いに充てるため、24年と30年に外国で国債を発行した。今度の日曜にはその最後の利払いが終わる。

 巨額の賠償負担は20年代にドイツ経済を破綻に追い込み、ベルサイユ条約に対するドイツ国民の怒りにつけ込んでナチスが台頭した。


 借金の返済は大恐慌とナチスドイツの時代に中断し、53年に再開された。最後の利払いは、6990万ユーロ(約80億円)になるという。

──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2010年09月29日(水)14時04分更新]

Reprinted with permission from FP Passport, 30/9/2010. ©2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.

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国際政治学者サミュエル・ハンチントンらによって1970年に創刊された『フォーリン・ポリシー』は、国際政治、経済、思想を扱うアメリカの外交専門誌。発行元は、ワシントン・ポスト・ニューズウィーク・インタラクティブ傘下のスレート・グループ。『PASSPORT:外交エディター24時』は、ワシントンの編集部が手がける同誌オンライン版のオリジナル・ブログ。

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