改めて、今回の連載およびシンポジウムを通じて、越境対話の意義を得たが、それはアカデミア、ビジネスの各世界に留まるものではなく、各自が深く自覚するものであった。
学問とは、「問い学ぶ」ではなく、その本質から考えると「問いに学ぶ」ではないだろうか。その「問い」の所在は、自分の外であろうが内であろうが、いずれも、自身の内側にある探究心から生じる。そうである限り、我々は常に自身の感受に敏感になる必要があるのだ。これが、全4回の連載、およびシンポジウムでのメッセージである。
もし、ご関心いただけたのなら、ぜひ全4回の論考を読んで頂きたい(以下にリンクあり)。そして、もし上記の、いうなら「負のスパイラル」について少しでも自覚があるなら、騙されたと思って他分野や他業種と出会い対話する交流会に参加してみてほしい。ただし、修行と思って最低1年間は毎月1回ぐらい自身に課すこと。これは筋トレと同じで、単発では効果はないのだ。大丈夫。筋肉は裏切らない。
◯ 連載企画 第1回 : 超えるのではなく辿る、二つの文化 『学問との再契約』 アステイオン vol. 95, 2021
◯ 連載企画 第2回 : 超えるのではなく辿る、二つの文化『解く理系に問う文系』 アステイオン vol. 97, 2022
◯ 連載企画 第3回 : 超えるのではなく辿る、二つの文化『納得の文系に説得の理系』 アステイオン vol. 98, 2023
◯ 連載企画 第4回 : 超えるのではなく辿る、二つの文化『学際、挑戦から日常へ』 アステイオン vol. 99, 2023
宮野公樹(Naoki Miyano)
1973年生まれ。立命館大学理工学部卒業。同大学院博士後期課程修了。カナダMcMaster大学、立命館大学、九州大学を経て、現職。専門は大学論、学問論。京都大学総長学事補佐、文部科学省学術調査官の業務経験ももつ。一般社団法人STEAM Association代表理事。近著に『問いの立て方』(ちくま新書)、『世界が広がる学問図鑑』(Gakken)の監修も。
vol.100
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