コラム

慣れない雪道、どう歩く? 3ステップで防ぐ転倒事故

2022年01月18日(火)11時30分

2.膝から下を、地面に対して垂直にする

とくに滑りやすそうなツルツルの路面を歩くときは、足の裏全体を垂直に下ろすようにすると転びにくくなります。足を上げるときも足の裏全体を同時に垂直に上げるようにします。一部が地面に残ったままだと、そこを起点にして滑ってしまうことがあります。足は地面から上げすぎず、勢いがつかないようにゆっくりと慎重に下ろします。

坂道の場合も、斜面ではなく平地の地面に垂直に足を下ろします。急なくだり坂では、踵(かかと)を雪の中に食い込ませる感じで、平地に平行に足の裏を下ろします。この時、つま先は浮いているはずです。いっぽう、急な坂を上るときは、つま先で坂に穴を開けるように蹴り込みながら進みます。

3.ゆっくりと、スピードを変えずに歩く

身体の揺れが少なくなるように、ゆっくりと一定のスピードで歩くと、滑るリスクが減らせます。とくに、急な動きになりがちな歩き始めと止まる時は注意が必要です。赤信号になりそうな時も、決して走らずに、徐々に減速して横断歩道で止まりましょう。

今回の雪道で転ばない方法は、雪国の人たちの生活の知恵を元に、首都圏の環境条件を加味してご紹介しています。もっとも、慣れない大雪の時はなるべく外出しないようにするのも、転倒防止の有効な方法です。日頃から「備えあれば患いなし」の精神で、思わぬ大雪の時はなるべく外出しないで済むように、外出する場合は怪我のリスクを最小限に抑えられるように準備をしたいですね。

プロフィール

茜 灯里

作家・科学ジャーナリスト。青山学院大学客員准教授。博士(理学)・獣医師。東京大学理学部地球惑星物理学科、同農学部獣医学専修卒業、東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻博士課程修了。朝日新聞記者、大学教員などを経て第24回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞。小説に『馬疫』(2021 年、光文社)、ノンフィクションに『地球にじいろ図鑑』(2023年、化学同人)、ニューズウィーク日本版ウェブの本連載をまとめた『ビジネス教養としての最新科学トピックス』(2023年、集英社インターナショナル)がある。分担執筆に『ニュートリノ』(2003 年、東京大学出版会)、『科学ジャーナリストの手法』(2007 年、化学同人)、『AIとSF2』(2024年、早川書房)など。

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