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オーストラリアの診察室から

高尾康端|オーストラリア

オーストラリアの災害と住宅について

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日本のニュースでも取り上げられることがあるかもしれませんが、最近ケアンズはサイクロンと洪水の被害を受け、現在も復旧作業が続いています。オーストラリアでは地震はほとんど起こりませんが国中の様々な地域で毎年多数の洪水被害が発生します。ケアンズの被害ほどではありませんが、ここブリスベンでも洪水は頻繁に起きています。

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ブリスベンは通常は温暖で穏やかな気候ですが、時として特に夏には豪雨に見舞われることがあります。最近でも数週間にわたって集中豪雨が発生しています。これらの集中豪雨は、時に市内やその周辺地域で洪水を引き起こします。ブリスベンでは洪水の被害が多いため、家を購入したりあるいは借りる際には洪水マップのチェックが重要です。特に高い丘陵はありませんが、場所により高低差があるため、低地にある家は洪水のリスクが高まります。また、ブリスベン川や複数の水路があるため、豪雨での洪水が頻発します。洪水リスクの高い地域にある家は、損傷を受けたり完全に破壊されたりする可能性があり、良い物件であっても、洪水のリスクが高い地域にある場合は購入や賃借を避ける傾向があります。他の条件が似たような物件でも、洪水エリアにある場合は価格が低くなります。さらに、洪水のリスクが高い地域で家を購入すると、災害保険が高額になったり、加入できないことすらあります。

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クイーンズランド州政府やブリスベン市は、洪水リスクを減らすために様々な対策を講じています。これには、洪水警報システムの改善、洪水防止施設の建設、市民向けの教育プログラムが含まれます。しかし、それでも数年に一度は洪水の被害が発生しています。行政はこれらのリスクに対処するために継続的に努力していますが、住民自身も自己責任での対策と準備が必要です。

ブリスベンに住む以上は、いつか洪水が起こるというリスクを受け入れて生活するしかありませんが、リスクを減らすためのさらなる対策を期待しています。

 

Profile

著者プロフィール
高尾康端

日本、スイス、シンガポール、アメリカで育ち、2004年からオーストラリアに移住。シドニー大学医学部を卒業。現在は東ブリスベンエリアHawthorne Clinicにて家庭医 (GP)として勤務。家庭医の観点からみる病気についての情報、また母国である日本と移住地オーストラリアの医療システムの違いや、オーストラリアで病気になった時に役立つ情報を発信している。

Twitter:@dryasutakao
Facebook:Dr Yasu Takao
ブログ:https://www.dryasutakao.com.au/blog

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