NYで生きる!ワーキングマザーの視点
日本のプラスサイズモデルAi MomokaがNYファッション・ウィークに初登場!
日本のプラスサイズモデル、Ai Momokaがニューヨーク・ファッション・ウィークに初めて登場した。今回、ニューヨーク滞在中の彼女に、直接インタビューを行う機会を得た。
Ai Momokaのキャリアは意外にも、看護師だったという。15年前、看護師として働いていた彼女は、ある日ウェブサイトでプロのヘアメイクアーティストにメイクアップしてもらい、プロの写真家が撮影してくれるというオーディションに応募した。
「私が知っている限りですが、当時はまだ日本にプラスサイズのモデルさんがいなかったようです。それで読者モデルを応募していたのだと思います。」
100名におよぶ応募者の中からたった一人選ばれ、Momokaが撮影現場へ行ってみると、なんと日本のファッション大手通販ブランド「ニッセン」の撮影だった。その撮影がMomokaにとって新鮮で楽しかったこともあり、その場でモデル業に魅了され、その後のキャリアを決定づけたのだ。
7年前には自身のモデル事務所を設立し、現在は約80名のモデルが所属する事務所の社長としても活躍している。
「モデル業を始めたとはいえ、プラスサイズのモデルは日本ではまだ珍しかったので、まずはプラスサイズモデルの存在を知ってもらうことから始めました。
プラスサイズモデルばかりでファッションショーをやったりして、起業から7年かけてようやくプラスサイズに興味をもってくれたメディアがニュースにとりあげてくれて、徐々にプラスサイズモデルへの認知度は上がっていきました。」
今後、彼女はプラスサイズモデルだけでなく、多様な個性を持つモデルたちを迎えることに力を入れているという。
「私は一つの場所にいるより先頭にたっていろいろな所へ行きたいタイプ。社長だからといって、オフィスに構えているのではなく、世界中を飛び回りながら感性をみがいて、多様性を広めることを目指しています。」
NY到着後は、キャスティング会場へ即行。マンハッタンでのフィッティングを終えてから、ニューヨークのプラスサイズ専門店を訪れた。
看護師とモデル業は、まったく別のキャリアというイメージなのだが、そのキャリアは今、役に立っているのだろうか?
「看護大生の頃、ボランティアで※1ピアカウンセリング(Momokaさんの場合は、地域で学校や会社に行けなくなった人たちと、心のケアのため会話していたという。)をしていました。
人の心を明るくしたり、寄り添うということが元々好きで、看護師は今でも好きな職業です。モデル業をやっていても、スポットライトが当たらない人にスポットライトを当てたり、いったんスポットライトから外れてしまった人にスポットライトの当たる所へもどしてあげたり、そういうのが好きなのです。
元々はプラスサイズモデルを知ってもらうことから始めましたが、そこからさらに進んで、いろいろな人がいてもいいのだという感性を広めるために活動しています。
去年ミラノのファッションショーで『MOMOKA TOKYO』として、いくつかのファッションブランドと一緒にミラノコレクションを発表しました。
いろいろな人種をとり入れたモデルさんがランウェイを歩いたのですが、会場から拍手が鳴りやまなかったときに感動しました。多様性の素晴らしさを広める活動をしたいと思っています。」
ファッションだけでなくビューティーなどさまざまな分野で挑戦を続けていきたいと語っている。Ai Momokaの今後の活躍から、ますます目が離せない。
※1ピアカウンセリング・・・ピアカウンセリングの「ピア」とは「仲間」や「対等な立場の人」という意味。 ピアカウンセリングとは、同じような立場や悩みを抱えた人たちが集まって、同じ仲間として相談し合い、仲間同士で支え合うことを目的としたカウンセリング。
著者プロフィール
- ベイリー弘恵
NY移住後にITの仕事につきアメリカ永住権を取得。趣味として始めたホームページ「ハーレム日記」が人気となり出版、ITサポートの仕事を続けながら、ライターとして日本の雑誌や新聞、ウェブほか、メディアにも投稿。NY1page.com LLC代表としてNYで活躍する日本人アーティストをサポートするためのサイトを運営している。
NY在住の日本人エンターテイナーを応援するサイト:NY1page.com