NYで生きる!ワーキングマザーの視点
ニューヨーク暮らしで学んだ孤独を糧にアガサ・クリスティー原作のミュージカルSUNDAYに挑む高野菜々
1年間、演劇を学ぶために来ていたニューヨークから日本へ帰って、まずどんな気分でしたか?
「気分はどうだったでしょう...?皆から服装が派手になったと言われたのはよく覚えています。センスがちょっと変わったねと。日本では着られないような服をニューヨークでは着ていたからでしょうね。
ニューヨークにいるときには、どんな服を着ていてもその人の個性として見てくれる。日本にいるときは「どう見られるか」を無意識で気にしてしまっていたんだとニューヨークに行って気づかされました。」
日本に戻られてからも、ミュージカル「生きる」※1に出演されたり、菜々さんの地元、広島カープの球場で国歌斉唱したり、ご活躍を拝見していました。
「この4月からは広島の球場で流れる応援ソングを歌わせていただいていて、アンガールズさんや鈴木福さんたちと共演したり、アニメの声優もまた再開させていただいたり。
音楽座ミュージカルでも『泣かないで』『シャボン玉とんだ宇宙(ソラ)までとんだ』の公演に出演しました。」
ニューヨークのシアターで、菜々さんがワンマンライブを行われてから、もう一年がたつのですね。
「早いですね。一年間ニューヨークにいたんですが、レッスンを受けたり、学ぶということは誰でもできると途中から思うようになりまして。
人生一度きりですし、自分の中でこれだというハードルの高いものに、できないと思ってもチャレンジしようとソロライブをやることにしたんです。」
ニューヨークのシアターを超満員で埋めつくし、素晴らしい歌声を披露されたので感動しました。
「私の中でも一つの大きな通過点で、改めて温かい場だったなと思います。」
撮影:Rebecca J Michelson
まったく演劇や歌のお話と関係なくて申し訳ないのですが。ニューヨークでのショーの後に、おたふくのお好み焼きソースと粉を手土産にいただいたのが印象的でした。ソースも粉もサンプルとかではなくて、がっつり本物でしたよね。
広島出身なので、ご自身でお土産を用意されたのかな?なんて、友人が言ってたのですが。
「ニューヨークで過ごしていた夏に一度、日系の食品業界の試食会に連れて行っていただいたことがあり、そこにオタフクソースさん(Otafuku Foods,inc. )も出展されていました。
広島にあるオタフクソースの本社には伺ったこともあり、佐々木社長(オタフクホールディングス株式会社 代表取締役社長 佐々木茂喜氏)とも面識があったのでそれを伝えました。
奥から走ってくる方がいらっしゃって、なんとその方が社長のご子息だったんです。
佐々木さんは私と同い年で、奥様と共通の知り合いがいたり、ご縁を感じました。
「NYでライブをするのですが故郷の広島のことも自分自身のミッションとして語っているので、ご協力いただけませんか?」と伺ったら、自ら大きな車までだしてくださって、商品を配っていただくことになりました。」
菜々さんのお人柄に惹かれる人は多いのでしょうね。
「どうでしょう。ニューヨークで助けていただけることは多かったです。でも、最初のころは、お友達もいなかったのでホームシックになったこともありました。
地下鉄で発砲事件もあったりして、悩みを相談する相手もいなくて。4月にはコロナにもかかってしまって、このまま孤独死してしまうのかしらとまで思ったのです。
せっかくニューヨークにいるのだからオープンマインドでいかなければって思ってたんですが...」
著者プロフィール
- ベイリー弘恵
NY移住後にITの仕事につきアメリカ永住権を取得。趣味として始めたホームページ「ハーレム日記」が人気となり出版、ITサポートの仕事を続けながら、ライターとして日本の雑誌や新聞、ウェブほか、メディアにも投稿。NY1page.com LLC代表としてNYで活躍する日本人アーティストをサポートするためのサイトを運営している。
NY在住の日本人エンターテイナーを応援するサイト:NY1page.com