NYで生きる!ワーキングマザーの視点
さすがNY版「眠れる森の美女」の舞台は笑いとLGBTQ満載!日本人クラウンのMaricoが出演
アメリカで150年近く活動を続けていたサーカス団「リングリング・ブラザーズ(Ringling Brothers and Barnum & Bailey Circus)」にてクラウンとして巡業していたMarico。
今回はNYのダウンタウンで行われた子供向け「眠れる森の美女」のザ・パント・プロジェクト(※1)の舞台で、クラウンとしてつちかわれた楽しい表情でメインキャラクターの一人として出演。かわいいガチョウのパペットを操作する役も担当。ダンサーとしても長年トレーニングを積んできていたので、軽快なタップダンスを披露した。
さすがNYの舞台なので子供向けとはいえ、大人も楽しめるジョークが満載。キラキラとスパンコールでパンチのきいてるドレスや、フワフワしたドレスのカラフルな衣装で目を楽しませてくれる。オフ・オフ・ブロードウェイとはいえ、脚本や演出もしっかりしていて、パフォーマーの歌唱力やダンスのレベルは高い。
会場と一体型の演出なので、善良な妖精がでてくるときには励ましのエール、邪悪な妖精がでてくるときにはブーイングをするようにとショーの前に、まずは観客もトレーニング。そのうちに、会場にいる子供たちは舞台の出演者に向かって「この人は嘘をついてるんだよ。」と声をかけたりするほどだった。
偶然、私の前に座っていた客席の男性は、王様のパートナー役のドラッグクィーンが登場するたびに「アイ・ラブ・ユー」の声をかける役を引き受け、舞台の間に何度も立ち上がって声をかける。素人なはずのに声もはっていて、タイミングもうまかったのでショーを盛り上げた。
なにがこのショーの見どころなの?って、手話をしている3人が舞台の袖にいたり、バンドのメンバーにチャレンジド(People with disabilities)がいてドラムを叩いていたり(後から知ったのだが、このドラマーが同舞台の脚本家マット・フレイザー)、主役のプリンセス役の女性も可愛らしいサイズの美しい大人の女性。
王様はシングルで、ベイビーをアダプト(養子縁組)し、その養女がプリンセスとなるのだけど、18歳(アメリカでは18歳が大人になる年齢のため。)の誕生日に邪悪な妖精のかけた魔法「糸巻き車の針が指に刺さって死ぬ。」を、善良な妖精が「100年の眠りについて本物の愛によって目覚める。」という王道なお話。しかし、NYでのストーリーはちょっと違う。
プリンスももちろん出てくるのだけど、プリンセスを一筋に愛するはずのプリンスが浮気っぽかったり、邪悪な妖精の手下には、ロボットもいる。このロボットに何度もパイを投げるシーンがあるのだが、これでもかってレベルで何度もやるので、マジで腹を抱えて笑った。日本ならば、しつこいくらいにベタな笑いをつきつめる吉本新喜劇みたいなノリである。
出演者には子供たちもいて、それぞれに可愛くて、ダンスもうまい。音楽は、アメリカのヒット曲や懐かしのロック、レゲエにヒップホップと、いろいろな曲が舞台の袖にいるバンドの生演奏もいい。パフォーマーの歌声は幅広い音域で、マライア・キャリーばりの高音も美しい響きだった。
いろいろな意味で多様性というものを取り入れていた脚本でもあり、最後には感動でじんわりと涙があふれてきた。これぞNYという舞台なので、ぜひ会場へ足を運んでご覧いただくことをオススメする。チケットの購入リンク。
今回はNYのダウンタウンで行われた子供向け「眠れる森の美女」のザ・パント・プロジェクト(※1)の舞台で、クラウンとしてつちかわれた楽しい表情でメインキャラクターの一人として出演。かわいいガチョウのパペットを操作する役も担当。ダンサーとしても長年トレーニングを積んできていたので、軽快なタップダンスを披露した。
さすがNYの舞台なので子供向けとはいえ、大人も楽しめるジョークが満載。キラキラとスパンコールでパンチのきいてるドレスや、フワフワしたドレスのカラフルな衣装で目を楽しませてくれる。オフ・オフ・ブロードウェイとはいえ、脚本や演出もしっかりしていて、パフォーマーの歌唱力やダンスのレベルは高い。
会場と一体型の演出なので、善良な妖精がでてくるときには励ましのエール、邪悪な妖精がでてくるときにはブーイングをするようにとショーの前に、まずは観客もトレーニング。そのうちに、会場にいる子供たちは舞台の出演者に向かって「この人は嘘をついてるんだよ。」と声をかけたりするほどだった。
偶然、私の前に座っていた客席の男性は、王様のパートナー役のドラッグクィーンが登場するたびに「アイ・ラブ・ユー」の声をかける役を引き受け、舞台の間に何度も立ち上がって声をかける。素人なはずのに声もはっていて、タイミングもうまかったのでショーを盛り上げた。
なにがこのショーの見どころなの?って、手話をしている3人が舞台の袖にいたり、バンドのメンバーにチャレンジド(People with disabilities)がいてドラムを叩いていたり(後から知ったのだが、このドラマーが同舞台の脚本家マット・フレイザー)、主役のプリンセス役の女性も可愛らしいサイズの美しい大人の女性。
王様はシングルで、ベイビーをアダプト(養子縁組)し、その養女がプリンセスとなるのだけど、18歳(アメリカでは18歳が大人になる年齢のため。)の誕生日に邪悪な妖精のかけた魔法「糸巻き車の針が指に刺さって死ぬ。」を、善良な妖精が「100年の眠りについて本物の愛によって目覚める。」という王道なお話。しかし、NYでのストーリーはちょっと違う。
プリンスももちろん出てくるのだけど、プリンセスを一筋に愛するはずのプリンスが浮気っぽかったり、邪悪な妖精の手下には、ロボットもいる。このロボットに何度もパイを投げるシーンがあるのだが、これでもかってレベルで何度もやるので、マジで腹を抱えて笑った。日本ならば、しつこいくらいにベタな笑いをつきつめる吉本新喜劇みたいなノリである。
出演者には子供たちもいて、それぞれに可愛くて、ダンスもうまい。音楽は、アメリカのヒット曲や懐かしのロック、レゲエにヒップホップと、いろいろな曲が舞台の袖にいるバンドの生演奏もいい。パフォーマーの歌声は幅広い音域で、マライア・キャリーばりの高音も美しい響きだった。
いろいろな意味で多様性というものを取り入れていた脚本でもあり、最後には感動でじんわりと涙があふれてきた。これぞNYという舞台なので、ぜひ会場へ足を運んでご覧いただくことをオススメする。チケットの購入リンク。
(同記事掲載の写真はすべて©NY1page.com LLC)
余談だが、今回の記事のためリサーチしていたら、2017年に大ヒットしたミュージカル映画「グレイテスト・ショーマン」でヒュー・ジャックマンが演じていたのは、リングリングのサーカス団を設立した興行師のP・T・バーナムだった。リングリングのサーカスは、2023年より、これからは動物なしで、人のみのパフォーマンスを行う予定だという。同映画には、日本人のダンサー小森悠冊(こもりゆうさく)も出演。
【プロフィール】
岩佐 麻里子 Mariko Iwasa
岩佐 麻里子 Mariko Iwasa
ニューヨークを拠点に活動するパフォーマー、クラウン(道化師)、コメディアン、俳優である。 渡米後、完全独学でのフィジカルコメディーパフォーマンスをニューヨークの様々なスタンダップコメディーショーやバラエティーショーで 演じていた中、2012年にアメリカ最大のサーカスRingling Brothers. And Barnum & Bailey (2017年5月に終了。2023年より新しく復活)のオーディ ションに合格しクラウンとして参加をきっかけにサーカスの世界にも入り出す。Ringling Brothersは2017年の最終公演まで参加。 近年は日本でもパフォーマンスをしている。オーケストラによるファミリーコンサートやオペラ歌手や音楽家、ジャズトリオとなど生演奏と クラウンのコラボレーションの機会が増えている。 ニューヨークでは現在、ホスピタルクラウン、舞台、コメディーショー、サーカスなど様々な場所で活動中。 俳優としては2019年にSyracuse Area Live Theater award にてミュージカル"A Charlie Brown Christmas"のスヌーピー役 で助演女優賞を受賞。
Website : https://marikoiwasa.com/
現在は、2021年から始まったBindlestiff Family circus(NYを拠点に30年近く続いているサーカスアーツの団体)が主宰するFlatbed Foliesでクラウンとして、またHealthy Humorというホスピタルクラウンの団体にも所属し、ニューヨーク市にある5つの病院にてホスピタルクラウンもしている。イーストヴィレッジにある日本のゲームショーをベースにしたインプロコメディショーBASTU! にてキャラクター、Co-Host、Hostと様々なポジションで出演中。来年4月半ばからマサチューセッツ州の劇場にて、現在オフブロードウェイで上演中の作品 "The Play That Goes Wrong" に出演予定。
※1:ザ・パント・プロジェクト
ONEOFUSアーティストのジュリー・アトラス・マズとマット・フレイザーによる、2023年のCreative Capital Granteesのプロジェクトです。
「スリーピング・ビューティー:シー・ウォーク」は、ニューヨークのエイブロンズ・アート・センターとのコラボレーションによるパント・プロジェクトの第三弾です。ジュリー・アトラス・マズとマット・フレイザーによるThe Panto Projectは、大規模で世代を超えたコミカルなホリデー・ショーを通じて、地域社会を結びつけ、若い人々に劇場への愛を育み、ローブローでハイクオリティな劇場で陽気な雰囲気を広めています。7歳から70歳までの素晴らしいキャストが登場し、300席の劇場で4週間にわたり公演され、マズとフレイザーは地元の魅力をステージ上で表現しています。キャストの多様性は、アーティストたちが注意深く育てる観客層にも反映されています。彼らはプレビューや初週の公演に、エイブロンズ・アート・センターと提携している地元のシェルターの家族や、ニューヨーク市住宅公団のコミュニティから参加する家族を招待しています。さて、ショー自体はどうかと言えば、それは伝統的なイギリスのパントマイムの再発明であり、それが急務であったと言えるでしょう。作家のマット・フレイザーは知られた障害アーティストであり、アクティビストでもあり、ディレクターのジュリー・アトラス・マズは伝説的なユニークなフェミニストの魅力を持っています。詳細はこちらをご覧ください。
ビデオはもともと2023年のCreative Capital Carnivalで発表されたもので、これは進行中のグランティープロジェクトを発見し、業界の専門家と会い、コミュニティを構築し、アーティストを称賛するためのアーティストが集まるイベントです。
著者プロフィール
- ベイリー弘恵
NY移住後にITの仕事につきアメリカ永住権を取得。趣味として始めたホームページ「ハーレム日記」が人気となり出版、ITサポートの仕事を続けながら、ライターとして日本の雑誌や新聞、ウェブほか、メディアにも投稿。NY1page.com LLC代表としてNYで活躍する日本人アーティストをサポートするためのサイトを運営している。
NY在住の日本人エンターテイナーを応援するサイト:NY1page.com