炭鉱閉鎖が相次ぐロシアでプーチンがトランプとの鉱物協定に期待。ウクライナ併合地の鉱物資源も念頭
Russia Shutting Down Its Mines As Putin Woos Trump With Minerals

鉱山労働者は伝統的にプーチンの重要な支持基盤(2009年、シベリア東部ミールヌイのダイヤモンド鉱山で) REUTERS/Ria Novosti/Kremlin/Alexei Druzhinin
<トランプに鉱物権益を売りたいのはウクライナだけではなくロシアも同じ。しかもプーチンはウクライナで併合した地域の資源も売ろうと考えている>
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、レアアース(希土類)資源開発についてトランプ政権との協力が可能であることを懸命にアピールしている。ロシア国内の鉱業は危機的状況に直面しているためだ。
経済紙コメルサントによると、石炭採掘が経済の柱となっているシベリア西南部のケメロボ地方では、8つの鉱山が、債務負担と需要の急減、西側による制裁の影響に苦しんで操業を停止している。
プーチンは、ホワイトハウスでドナルド・トランプとウォロディミル・ゼレンスキーの会談が決裂したのを受け、アメリカはロシアと取引すれば、ロシアの貴重な鉱物資源が獲得できる可能性がある、と主張した。
ロシアは世界第6位の石炭産出国だ。石炭産業のみに依存した多くの町で、何十万人もの労働者の生計を支えている。
プーチンが仕掛けたウクライナ戦争が引き起こした石炭産業の危機は、プーチンにとって政治的な問題となる可能性がある。
西側の制裁は、他のエネルギー部門よりも大きな打撃を石炭生産に与えている。
プーチンは、ウクライナでロシアが併合した地域に存在するレアアースやその他の資源を獲得するため、トランプ政権が米ロ双方の利益になるようなディールを望むのではないかと期待している。