【尹大統領独占インタビュー】戒厳令48日前に見せた焦り...「私にはもう十分な時間がない」

BALANCED REFORM NOW

2024年12月11日(水)15時10分
デブ・プラガド(ニューズウィークCEO)、ナンシー・クーパー(グローバル編集長)、マシュー・トステビン(シニアエディター)

newsweekjp20241211023457-7c711601f9fa83c80751042dd8b2e79a011e9d49.jpg

ロシアのプーチン大統領は6月に北朝鮮を訪問。両国の関係強化は韓国にとって脅威になると尹は本誌に語った VLADIMIR SMIRNOVーSPUTNIKーPOOLーREUTERS

わが国は、北東アジアと世界の安全保障への影響を考慮しなくてはならない。(韓国が核保有国になれば)日本と台湾の核武装化を招き、北東アジアの安全保障上の脅威がさらに増大することになる。

韓国は核拡散防止条約(NPT)の規定を遵守する。ただし、アメリカとの信頼関係の強化を受けて私が国賓としてワシントンを訪れた際に、両国の同盟関係は核を基盤とする同盟に格上げされた。


──北朝鮮の兵士がウクライナとの紛争のためにロシアに派兵されたことが持つ意味と、それに対する韓国の対応を聞かせてほしい。この事態は韓国とロシア、ウクライナ両国との関係にどのような影響を与えるのか。他国にはどのような対応を望むのか。

北朝鮮のロシア派兵は、国連安保理決議や国連憲章などの国際法に真っ向から違反している。また、北朝鮮のこの行動はウクライナ紛争を拡大、長期化させ、世界の安全保障をさらに危うくしかねない。

ロシアが派兵と引き換えに北朝鮮に機密性の高い先端軍事技術を提供し、また北がウクライナの戦場で得た現代戦の経験を基に100万人を超える軍隊を訓練することになれば、韓国の国家安全保障にとって大きな脅威となる。

韓国政府としては、国際社会および緊密なパートナー国との協力をさらに密にし、自国に対する脅威の度合いに応じて段階的に対抗策を講じていく。

わが国は(尹が発表した)「ウクライナ平和連帯イニシアチブ」に従い、人道・復興支援をはじめウクライナにさまざまな援助を行っている。北朝鮮の関与によって紛争が激化すれば、わが国はまずウクライナへの防衛支援を検討するかもしれない。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエルとパレスチナ、米特使訪問でガザ停戦を模索

ビジネス

大韓航空、アシアナ航空買収完了 アジア有数の航空会

ビジネス

豪BHPとリオにセクハラ集団訴訟、秘密保持契約で告

ワールド

米国民、不法移民への寛容度やや低下 収容所使用には
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:韓国 戒厳令の夜
特集:韓国 戒厳令の夜
2024年12月17日号(12/10発売)

世界を驚かせた「暮令朝改」クーデター。尹錫悦大統領は何を間違えたのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?
  • 2
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達した江戸の吉原・京の島原と並ぶ歓楽街はどこにあった?
  • 3
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式多連装ロケットシステム「BM-21グラート」をHIMARSで撃破の瞬間
  • 4
    男性ホルモンにいいのはやはり脂の乗った肉?...和田…
  • 5
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 6
    ノーベル文学賞受賞ハン・ガン「死者が生きている人を…
  • 7
    韓国大統領の暴走を止めたのは、「エリート」たちの…
  • 8
    「男性ホルモンが高いと性欲が強い」説は誤り? 最新…
  • 9
    統合失調症の姉と、姉を自宅に閉じ込めた両親の20年…
  • 10
    「糖尿病の人はアルツハイマー病になりやすい」は嘘…
  • 1
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?
  • 2
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達した江戸の吉原・京の島原と並ぶ歓楽街はどこにあった?
  • 4
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、…
  • 5
    男性ホルモンにいいのはやはり脂の乗った肉?...和田…
  • 6
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 7
    国防に尽くした先に...「54歳で定年、退職後も正規社…
  • 8
    「男性ホルモンが高いと性欲が強い」説は誤り? 最新…
  • 9
    朝晩にロシア国歌を斉唱、残りの時間は「拷問」だっ…
  • 10
    人が滞在するのは3時間が限界...危険すぎる「放射能…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼ…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中