最新記事
韓国政治

韓国ユン大統領の弾劾決議で賛成票を投じた与党キム・イェジ議員「市民の声を見過ごせなかった」

2024年12月9日(月)23時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
ユン大統領の弾劾決議に戻ってきた与党のキム・イェジ議員

韓国国会でのユン大統領の弾劾決議に介助者と共に戻ってきた与党のキム・イェジ議員 KBS News / YouTube

<視覚障害のある女性議員は戒厳令の夜、与党本部から一人国会へ駆けつけた>

12月7日、韓国国会で行われた尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する弾劾決議は与党議員のほとんどが退席したため不成立となったが、3人の与党議員は投票に加わった。当初から弾劾賛成を表明し議場に残っていた安哲秀(アン・チョルス)と、いったん議場を退席してから戻ってきた金睿智(キム・イェジ)、金尚旭(キム・サンウク)だ。なかでも、視覚障害のある女性議員キム・イェジは、これまでにも党の方針に反しても自らの信念を曲げずに投票など行ってきた議員として知られている。BBCコリア、KBS、SBS、アジア経済などが報じた。

平昌パラリンピックのピアニストが政治家へ

1980年ソウル生まれの彼女は2歳のときに事故で網膜に傷を受け、先天性網膜色素変性症で満12歳で失明したが、一般選考で淑明女子大学ピアノ科に入学し、米ウィスコンシン大学で音楽芸術専攻で博士号を取得。その後、ピアニストとして活動をはじめ、平昌パラリンピックの閉会式にも出演した。

そんな彼女に転機が訪れたのは2020年。保守系の未来韓国党(現在の国民の力)のハン・ソンギョ代表に招かれて政界に進出、比例代表で当選して国会議員となった。選挙後に未来韓国党の報道官に任命された彼女は、初めての会見で「憲政史上初めて視覚障害者の報道官として仕事ができるよう機会を与えてくれた党代表と最高委員らに深い感謝を申し上げる」と挨拶した。

試写会
カンヌ国際映画祭受賞作『聖なるイチジクの種』独占試写会 50名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 3
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 6
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 7
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 8
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 9
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 10
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中