最新記事
ウクライナ情勢

「多くが修理中」ロシア海軍黒海艦隊の3分の1が「戦闘不能状態」...ウクライナ軍の「水上ドローン」に太刀打ちできず

Third of Russian Black Sea Fleet Disabled: Kyiv

2024年6月18日(火)17時50分
ブレンダン・コール

ロシアは、南部でドニプロ川を越えようとしたものの押し戻され、それによって「黒海を完全掌握するという計画も後退を始め」、さらに、強襲揚陸艇を上陸させる能力も損なわれたという。

同報道官はさらに、「ロシア側の妨害にもかかわらず、ウクライナは、オデーサ州の複数港からの穀物回廊を確保し続けることに成功した」と述べた。


 

黒海で被弾したロシア軍の艦船やミサイル運搬船の数を尋ねられると、同報道官はこう回答した。

「公式には28隻だ。10隻以上が修理中の状態にあるが、稼働中の艦船も、その多くが損害を受けている」

同報道官は、ウクライナは黒海海域のうち9600平方マイル(約2万5000平方キロメートル)以上を解放したと述べ、北部、西部、南西部に続き、現在は中央部も解放された海域に入っているとした。

だが、ロシアはこの海域で今でも潜水艦を使用していると述べ、アゾフ海と黒海を結ぶ海域にいる4隻のうち3隻が、巡航ミサイルを搭載可能なタイプだと付け加えた。

米海軍退役中将のマイク・ルフィーバーは、5月の取材時に、本誌に対して以下のように語っていた。「われわれは、ロシア海軍は規模が大きく強力だと考えている。そんな中で、本格的な海軍を持たないウクライナが、無人船舶で大打撃を与えているのは、非常に大きな戦果だ」

しかし、ロシア海軍が今後も退却を余儀なくされた場合、浮遊機雷の使用に踏み切る可能性もあると、ルフィーバーは警告した。

「ロシアは責任という感覚を持っていないのではないかと私は憂慮している。過去にも、優位性を失ったロシア側が、この海域で浮遊機雷を使う可能性が浮上していた。黒海で危害を加え、混乱をもたらすために、非対称的なアプローチをとる恐れがある」と、ルフィーバーは指摘した。

(翻訳:ガリレオ)

ニューズウィーク日本版 2029年 火星の旅
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年5月20日号(5月13日発売)は「2029年 火星の旅」特集。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米ミシガン大消費者信頼感、5月速報値悪化 22年6

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、米経済指標受け

ワールド

米国、欧州駐留軍削減で年内に同盟国と協議開始=NA

ワールド

トランプ税制法案、下院予算委で共和党議員5人造反 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映った「殺気」
  • 3
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」にネット騒然
  • 4
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 5
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」…
  • 6
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
  • 7
    トランプ「薬価引き下げ」大統領令でも、なぜか製薬…
  • 8
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 9
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 10
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中