危ない「命令口調」「小さな過干渉」の蓄積...魔の2歳児イヤイヤ期を「やる気」に転換する方法
子どもの「イヤイヤ」を減らすには「手出し・口出し」しないこと(写真はイメージ) szefei-iStock.
<2歳前後というのは、好奇心旺盛で何でも試してみたい、一方で親は子どもの行動をコントロールしたい、この相反する思いが衝突すると、子どもに「反抗」が表れます。親は「手出し・口出し」したい気持ちをグッとこらえて「見守る」ことが大切です>
「お洋服はよごさないでね」----「イヤッ」
「ご飯はきれいに食べてね」----「イヤッ」
「おもちゃを片付けてね」----「イヤッ」
子どもが2歳前後になり思考力や運動能力が育ってくると「自立」への道を歩み始めます。この時期の子どもは「自分で何でも試してみたい」という旺盛な「やる気」を持っています。ゴミ箱をひっくり返したり、本を破ったり、食べ物を投げたり、壁に落書きをしたり、コンセントに物を突っ込んだり、トイレの中におもちゃを落としたり、あらゆる問題行動を起こします。
同時に2歳前後というのは、子どもの世界が家の中から外に広がり、公共社会のルールやマナーを教える「しつけ」を伝え始めるタイミングでもあります。子どもは好奇心旺盛で何でも試してみたい、一方で親は子どもの行動をコントロールしたい、この相反する思いが衝突すると、子どもに「反抗」が表れます。
過干渉は自己肯定感を下げる一番の原因!
子どもは自分でやってみたくて「イヤッ」あるいは自分の行動に干渉されるのが「イヤッ」と言っているのですが、その気持を親に受け入れてもらえず「いけません!」「ダメ!」と否定され、あげくの果てに「◯◯ちゃんは悪い子ね!」と突き放されると「親から愛され受け入れられている自信」がグラついてしまうのです。
それまでは手がかからず、天使のように育ってきた子どもでも、実験期(自我の芽生え)になると、「イヤッ」を連発するようになります。でも親は驚いてはいけません。「わが子にもこの時が来たか」と成長を喜ぶと同時に、干渉をできるだけ減らして、子どもが成功体験を積むサポートをしてあげてください。
たとえば、子どもが自分でクツを履こうとしているのを、待てない親が履かせてしまうのは過干渉です。子どもの「意欲」を無視して親の都合で子どもの行動に先回りしているからです。同様に、子どもがあぶなっかしい手つきでコップから水を飲もうとしているとします。それをこぼすからと親が飲ませてしまうのも過干渉です。家や服を汚したくないという親の都合で、子どもが自分の意欲でやろうとしていることを横取りしているからです。
親は子どもにとって良かれと思っていることが多いのですが、このような「小さな過干渉」を繰り返していると、子どもから「やる気」を奪ってしまったり、反抗が長引くことにつながってしまうのです。
子どもの「イヤイヤ」を減らし「やる気」を伸ばすには、親は「手出し・口出し」したい気持ちをグッとこらえて、子どもの行動を「見守る」ことが大切です。家の外はルールや世間の目がうるさく、子どもへの干渉を減らすことが難しいと感じるならば、せめて家の中だけでも子どもの「試してみたい」「自分でやってみたい」という「やる気」を尊重してあげてください。もちろん子どもの生命の安全のための干渉は必要ですから、親はどこまでが必要な干渉で、どこからが過干渉になるのかを見極めて、適切に対応してください。