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健康菜食中心の食事が男性の大腸がんリスクの軽減につながる可能性
菜食中心の男性は、大腸がんリスクが22%低かった...... krblokhin-iStock
<菜食を中心とする食事は、男性の大腸がんリスクを軽減できる可能性があることがわかった......>
大腸がんは世界で3番目に多いがんであり、生涯のうちに大腸がんを発症するリスクは男性で23人に1人、女性で25人に1人といわれている。野菜、果物、全粒穀物、豆類、ナッツなど、菜食を中心とする食事は、男性の大腸がんリスクを軽減できる可能性があることがわかった。その研究成果は、2022年11月29日付の電子版医学誌「BMCメディシン」で発表されている。
菜食中心の男性は、大腸がんリスクが22%低かった
韓国・慶熙大学校、米ハワイ大学がんセンターらの研究チームは、1993年から1996年に「多民族コホート研究」に登録されたハワイ州およびカリフォルニア州の居住者を対象に、菜食を中心とする食事と大腸がんリスクとの関連性を調べた。対象者は男性7万9952人、女性9万3475人であった。
分析の結果、1日あたりの植物性食品の摂取量が多い男性は、植物性食品の摂取量が少ない男性と比べて、大腸がんリスクが22%低かった。その因果関係については明らかでないが、研究論文の筆頭著者で慶熙大学校のキム・ジヘ博士は「野菜や果物、全粒穀物などの植物性食品に含まれる抗酸化物質が、がんにつながる慢性炎症を抑制することで、大腸がんリスクの低下に寄与しているのではないか」と推測している。
また、この分析によると、女性では菜食中心の食事と大腸がんリスクに有意な関連性が認められなかった。キム博士は「男性は女性よりも大腸がんリスクが高い傾向にあるので、男性では菜食中心の食事が大腸がんリスクの低減と関連するが、女性では関連しないのではないか」と考察する。
女性ではこの関連性は見つからなかった
同様の研究結果は英国でも示されている。英オックスフォード大学の研究チームが「バイオバンク」に登録されている英国人47万2377人のデータを分析した2022年2月24日付の研究論文によると、肉の摂取量が少ない男性は大腸がんリスクが9%低かったが、女性ではこのような関連性は見つからなかった。
今回の研究結果は、健康的な菜食中心の食事が大腸がんリスクの低減と関連することを示すものだ。研究チームは、今後の研究課題として「人種や民族間で植物性食品の摂取と大腸がんリスクの関連性に影響をもたらす遺伝・環境因子を調べる必要がある」と指摘している。