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動物猫はどんな時に「ふみふみ」するのか? ふみふみの科学
猫の「ふみふみ」行動は、授乳の促進や母子のコミュニケーションとして進化してきた......FatCamera-iStock
<猫が前肢を交互に動かし、リズミカルに「ふみふみ」し続ける動作は「ニーディング」と呼ばれるが、その意味とは......>
猫が前肢を交互に動かし、毛布やクッションなどをリズミカルに「ふみふみ」し続ける動作は、生地をこねる(ニーディング)様子に似ていることから、「ニーディング」と呼ばれる。
なぜ、猫はニーディングをするのだろう。豪アデレード大学の研究チームは2022年12月8日付のニュースサイト「ザ・カンバセーション」の寄稿記事で、その理由を解説している。
猫の肉球からフェロモンが分泌される
猫は子猫のときからニーディングをする。ニーディングは授乳と関連しており、子猫が母猫をニーディングして母猫の乳汁分泌を促すのだ。
またニーディングは、ふれあいやフェロモンによる子猫と母猫とのコミュニケーションでもある。猫の肉球には臭腺があり、ニーディングすると、この臭腺からフェロモンが分泌される。子猫は母猫にニーディングしてフェロモンを分泌させ、母猫との絆や健康状態など、様々なメッセージを伝えている。
このようにニーディングは授乳の促進や母子のコミュニケーションにおいて進化してきたが、成猫でもよくみられる。ニーディングはメッセージを伝える手段として、人間や他の猫、動物との交流にも役立てられているのだ。たとえば、猫が飼い主の膝にニーディングする動作は「あなたは私の仲間だ」というメッセージである。
飼い主が猫のニーディングにご褒美を与えることで、この動作が強化されることもある。また、柔らかい毛布をニーディングするのを好む猫もいる。この動作によってリラックスしたり、癒されたりするようだ。一方で、猫にも個性があり、ニーディングをしない猫もいる。
ニーディングが非常に頻繁で長い場合は......
ニーディングは概ね、猫が心地よい状態であることを示すものだ。しかし、ニーディングが非常に頻繁で長かったり、強迫的にみえたり、足や口を傷つけはじめている場合、猫がストレスや痛みを感じている兆候かもしれず、注意が必要だ。
ニーディングは猫の正常な動作であり、猫にとっては飼い主との絆を感じる重要なものかもしれない。研究チームは「飼い主は猫のニーディングを叱ったりせず、猫の爪が当たって気になるようであれば厚手の毛布で足を覆い、猫があまり爪を立てずにうまくニーディングできたら、褒めたり、ご褒美を与えたりしよう」とアドバイスしている。