最新記事

宇宙

今まで聞いた音で一番気味が悪い......NASAが投稿した「ブラックホールの音」にネット騒然

2022年9月16日(金)17時40分
松丸さとみ(Pen Onlineより転載)

NASA-twitter

<宇宙は真空なので音はしない、と思われがちだが、このほどNASAが「ブラックホールの音」をツイッターに投稿したところ、まるでSFホラー映画ばりのおどろおどろしい音、と話題になっている......>

宇宙を頭に思い描くとき、どんな音を想像するだろうか? 宇宙は真空なので音はしない、と思われがちだが、実はそうではないらしい。このほどアメリカの航空宇宙局(NASA)が「ブラックホールの音」をツイッターに投稿したところ、まるでSFホラー映画ばりのおどろおどろしい音に、ツイートが拡散されて話題になっている。

人間の耳には聞こえない「音」を加工して可聴に

この音は、ペルセウス座銀河団にあるブラックホールから発せられている。ブラックホールから音が出ているという事実は、2003年にX線天文衛星「チャンドラ」が音波を観測したことで明らかになっていた。ブラックホールから出てくる圧力波が、銀河団内にあるガスに波紋を起こして音になるという。とはいえ、この音は中央ハ(ピアノでいえば真ん中のドの音)よりも57オクターブほど下の音階になるため、そのままでは人間の耳で聞くことはできない。

そこでNASAは、「ソニフィケーション」(可聴化)と呼ばれる、データを音に翻訳する作業を行った。ペルセウス座銀河団のブラックホールの音データやその他のデータを加工して増幅し、人間の耳に聞こえるようにしたのだ。この音源は5月、NASAがブラックホール・ウィークを開催した際に公開されていたが、今回NASA Exoplanetsのチーム(太陽系外惑星や生命体の可能性について研究しているチーム)がツイッターに改めて投稿したところ、48万件以上のいいねが付くなど、大きな反響となったのだ。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=続伸、ダウ419ドル高 米中貿易戦争

ビジネス

米経済活動は横ばい、関税巡り不確実性広がる=地区連

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、米中緊張緩和への期待で安心

ビジネス

トランプ氏、自動車メーカーを一部関税から免除の計画
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負かした」の真意
  • 2
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学を攻撃する」エール大の著名教授が国外脱出を決めた理由
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    アメリカは「極悪非道の泥棒国家」と大炎上...トラン…
  • 6
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 7
    日本の10代女子の多くが「子どもは欲しくない」と考…
  • 8
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 9
    トランプの中国叩きは必ず行き詰まる...中国が握る半…
  • 10
    ウクライナ停戦交渉で欧州諸国が「譲れぬ一線」をア…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 4
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 5
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 6
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 7
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 8
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中