最新記事

日本

「日本の鉄道はゴールドレベル」世界中の電車に乗ってきた駐日米大使が太鼓判

JAPANESE TRAINS ARE “GOLD”

2022年8月12日(金)17時00分
山田敏弘(国際ジャーナリスト)
ラーム・エマニュエル駐日米大使

大使公邸でインタビューに応じたエマニュエル大使 HAJIME KIMURA FOR NEWSWEEK JAPAN

<移動手段に好んで電車を利用し、ツイッターでも「鉄道愛」を隠さないラーム・エマニュエル駐日米大使。日本での暮らしと日本の鉄道の優れた点について、ジャーナリストの山田敏弘が聞いた>

(※本誌8月9日/16日号「世界が称賛する日本の暮らし」特集より)

今年1月に着任したラーム・エマニュエル駐日米大使。2月17日に米海軍基地のある横須賀市を訪れたが、東京からの移動に使ったのは公用車ではなく、意外なことに一般の通勤客も利用する京浜急行の電車。

大使のツイッター投稿をチェックすると、その後も頻繁に電車を利用しているのが分かる。4月には、「東京レインボープライド2022」のパレードに参加するため、東京メトロを利用。また6月には、東銀座駅のホームに立つ写真と共に、「いつも通り日本の電車は完璧。私の乗車はいつでも定刻到着です。10点中10点満点!」とツイート。大使は鉄道が好きで、自ら好んで移動手段に電車を利用しているようだ。

オバマ政権では大統領首席補佐官を務め、その後はシカゴ市長も務めた大使が、大の鉄道好きだとは驚きだ。また大使のツイートからは日本への愛着も伝わってくる。そこで日本での暮らしと「鉄道愛」について、東京・赤坂の大使公邸でジャーナリストの山田敏弘が話を聞いた。

◇ ◇ ◇


──日本に来て約6カ月たつが、日本の印象は?

日本は素晴らしい国。人々は驚くほど温かいし、気が利くし......。人々が信頼し合っている社会だね。

妻とコーヒーが飲める自宅近くの書店に行ったとき、客が席を取るのにスマートフォンをテーブルに置いているのを見て、まさに信頼がないとできないことだと感じた。

これまで人生の大半を都市部で過ごしてきたが、東京は間違いなく世界でも有数の暮らしやすい都市だ。

──公務以外で出掛けることは?

食べることが好きだから、近所のレストランにはよく行く。クオリティーは申し分なく、夢のようだ。日本は生活の質が高くて驚いている。だからこそ、国民の平均寿命が高いのだろう。

──よく電車で移動しているが。

街を移動するのに利用している。日本には世界有数の鉄道システムがある。これまでロンドン、パリ、ベルリン、ミラノ、テルアビブなど世界各地の電車に乗ってきたが、日本の鉄道はゴールド(最高)レベルだと思う。

──どんなところが優れている?

日本全国のことを語れるわけではないが、まずすごく利用者に優しい。席は快適で、時間は正確で信頼できる。時間というのは非常に大事な「必需品」でリスク管理が必要だ。

アメリカなら、時間どおりに来ないという前提で動かなければならず、余計な時間がかかる。でも日本なら正確に時間が読めるので、その時間を使って、家を出る前に子供の宿題を見ることだってできる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ミャンマー地震の死者1000人超に、タイの崩壊ビル

ビジネス

中国・EUの通商トップが会談、公平な競争条件を協議

ワールド

焦点:大混乱に陥る米国の漁業、トランプ政権が割当量

ワールド

トランプ氏、相互関税巡り交渉用意 医薬品への関税も
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジェールからも追放される中国人
  • 3
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...スポーツ好きの48歳カメラマンが体験した尿酸値との格闘
  • 4
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 5
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    なぜANAは、手荷物カウンターの待ち時間を最大50分か…
  • 8
    最古の記録が大幅更新? アルファベットの起源に驚…
  • 9
    不屈のウクライナ、失ったクルスクの代わりにベルゴ…
  • 10
    アルコール依存症を克服して「人生がカラフルなこと…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えない「よい炭水化物」とは?
  • 4
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 6
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 7
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 8
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 9
    大谷登場でざわつく報道陣...山本由伸の会見で大谷翔…
  • 10
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中