「日本の鉄道はゴールドレベル」世界中の電車に乗ってきた駐日米大使が太鼓判
JAPANESE TRAINS ARE “GOLD”
大使公邸でインタビューに応じたエマニュエル大使 HAJIME KIMURA FOR NEWSWEEK JAPAN
<移動手段に好んで電車を利用し、ツイッターでも「鉄道愛」を隠さないラーム・エマニュエル駐日米大使。日本での暮らしと日本の鉄道の優れた点について、ジャーナリストの山田敏弘が聞いた>
(※本誌8月9日/16日号「世界が称賛する日本の暮らし」特集より)
今年1月に着任したラーム・エマニュエル駐日米大使。2月17日に米海軍基地のある横須賀市を訪れたが、東京からの移動に使ったのは公用車ではなく、意外なことに一般の通勤客も利用する京浜急行の電車。
Today's commute to Yokosuka was my first train ride as Ambassador. #Japan's world-class rail system is worthy of a world-class country. It did not disappoint. pic.twitter.com/e2NU70I2TC
— ラーム・エマニュエル駐日米国大使 (@USAmbJapan) February 17, 2022
大使のツイッター投稿をチェックすると、その後も頻繁に電車を利用しているのが分かる。4月には、「東京レインボープライド2022」のパレードに参加するため、東京メトロを利用。また6月には、東銀座駅のホームに立つ写真と共に、「いつも通り日本の電車は完璧。私の乗車はいつでも定刻到着です。10点中10点満点!」とツイート。大使は鉄道が好きで、自ら好んで移動手段に電車を利用しているようだ。
オバマ政権では大統領首席補佐官を務め、その後はシカゴ市長も務めた大使が、大の鉄道好きだとは驚きだ。また大使のツイートからは日本への愛着も伝わってくる。そこで日本での暮らしと「鉄道愛」について、東京・赤坂の大使公邸でジャーナリストの山田敏弘が話を聞いた。
──日本に来て約6カ月たつが、日本の印象は?
日本は素晴らしい国。人々は驚くほど温かいし、気が利くし......。人々が信頼し合っている社会だね。
妻とコーヒーが飲める自宅近くの書店に行ったとき、客が席を取るのにスマートフォンをテーブルに置いているのを見て、まさに信頼がないとできないことだと感じた。
これまで人生の大半を都市部で過ごしてきたが、東京は間違いなく世界でも有数の暮らしやすい都市だ。
──公務以外で出掛けることは?
食べることが好きだから、近所のレストランにはよく行く。クオリティーは申し分なく、夢のようだ。日本は生活の質が高くて驚いている。だからこそ、国民の平均寿命が高いのだろう。
──よく電車で移動しているが。
街を移動するのに利用している。日本には世界有数の鉄道システムがある。これまでロンドン、パリ、ベルリン、ミラノ、テルアビブなど世界各地の電車に乗ってきたが、日本の鉄道はゴールド(最高)レベルだと思う。
Love the really plush seats! Hankyu. Hankyu very much.
— ラーム・エマニュエル駐日米国大使 (@USAmbJapan) May 12, 2022
ふかふかの座席がすごく気に入りました!阪急電車、ハンキューベリーマッチ。 pic.twitter.com/u2vaZGawa0
──どんなところが優れている?
日本全国のことを語れるわけではないが、まずすごく利用者に優しい。席は快適で、時間は正確で信頼できる。時間というのは非常に大事な「必需品」でリスク管理が必要だ。
アメリカなら、時間どおりに来ないという前提で動かなければならず、余計な時間がかかる。でも日本なら正確に時間が読めるので、その時間を使って、家を出る前に子供の宿題を見ることだってできる。