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ウクライナ情勢ウクライナ軍、東部で苦戦し撤退の恐れも 外交交渉も進まず
ウクライナ東部のルガンスク州を含むドンバス地域で、ロシア軍が攻勢を強め、ウクライナ側の苦戦が明らかになっている。5月26日、ルガンスク州で撮影(2022 年 ロイター/Special Operations Forces Command/Handout via REUTERS)
ウクライナ東部のルガンスク州を含むドンバス地域で、ウクライナ軍が攻勢を強め、ウクライナ側の苦戦が明らかになっている。
ルガンスク州のガイダイ知事は27日、州の大半の地域がロシア軍の手に落ちる中、ウクライナ軍は兵士が捕虜になるのを避けるために、最後まで残っている州内の拠点から撤退せざるを得なくなる可能性があるとの見方を示した。
ウクライナ軍が撤退した場合、ロシアはルガンスク州とドネツク州の完全制圧に一歩近づくことになる。
ガイダイ知事によると、ロシア軍はルガンスク州の要衝セベロドネツク市を数日間包囲したのち、同市に侵入した。同市では建物の9割が損壊しているという。
ただガイダイ知事はテレグラムへの投稿で「ロシア軍は向こう数日間でルガンスク州を占領することはできない」とも述べた。
一方、ウクライナ東部の親ロシア派は27日、セベロドネツク市西方の鉄道拠点、ライマンを完全掌握したと表明した。ウクライナのゼレンスキー大統領の顧問を務めるオレクシー・アレストビッチ氏はソーシャルメディアに投稿した動画で「未検証のデータによると、われわれはライマンの町を失った」と述べ、これを確認した。
これらを受けて、ジョンソン英首相は27日、ロシアが東部ドンバス地方で緩慢ながらも明白な進展を遂げているとの認識を示した。
同首相はブルームバーグUKに対し「(ロシアは)少しずつ、ゆっくりとだが、残念ながら、明白な進展を遂げている。このため、われわれが引き続きウクライナ軍を支援することが極めて重要だ」と述べた。
外交交渉も継続してはいるものの、進展はほとんどみられていない。
オーストリアのネハンマー首相は27日、ロシアのプーチン大統領と45分間の電話会談を行った。ネハンマー首相によると、プーチン大統領はウクライナとの捕虜交換で協議する用意があると表明したものの、「実際にプーチン大統領に交渉する用意ができているかは複雑な問題」だとした。
その後、ロシア政府は声明で、プーチン大統領がウクライナはロシアとの和平交渉を「妨害している」と非難したことを明らかにした。
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