最新記事

オミクロン株

ディズニーワールドとユニバーサルがあるフロリダ州オレンジ郡の排水検査でほぼ100%のオミクロン株

Omicron Cases Rising in Wastewater in FL County Home to Disney, Universal

2021年12月17日(金)13時57分
アーロン・マクデード
ディズニーワールド

シンデレラ城の花火に湧く観光客(2012年のディズニーワールド) Scott Audette-REUTERS

<新型コロナの入院患者は大半がデルタ株なのに、排水から検出されるのはほぼ100%がオミクロン株。世界のテーマパーク王国に何が起こっているのか>

世界各地で、新型コロナウイルスの新たな変異株であるオミクロン株の感染者が増え続けるなか、ディズニーワールドとユニバーサル・オーランド・リゾートのあるフロリダ州オレンジ郡では、ウイルス検査よりも排水検査でオミクロン株が検出されるケースが頻発している。

オレンジ郡公益事業社の広報担当であるサラ・ラックスが、AP通信に語ったところによれば、同郡の排水サンプルについて今週行われた検査では、サンプル内に含まれていた新型コロナ株のほぼ100%がオミクロン株だった。これは、同郡でオミクロン株が既に主流になっていることを示している。

だが現在のところ、米国内の2大テーマパークを擁する同郡で、新型コロナに感染して入院している患者の大半は、デルタ株への感染であることが確認されている。

医療の専門家や科学者たちは、南アフリカのデータを基に、オミクロン株に感染した場合の重症度について検証を行っている。まだ結論は出ていないが、データを見ると、オミクロン株はデルタ株よりも感染力が強く、ワクチンが効きにくい可能性があるものの、デルタ株ほど重症化しなければ入院率は低そうだ。

感染者数が増えてから数週間後に、入院者数が増え始める

それでもクリスマスに向けて、オミクロン株に関するさらなる情報が出てきているなか、今後そうした見方が変わる可能性もあると科学者たちは言っている。これまでのところ、感染者数が増えてから数週間後に、入院者数が増え始める傾向にあるからだ。

今も世界中の科学者や医師たちが、人々に新型コロナウイルスワクチンの接種を呼びかけており、当局者たちは、接種資格がある人々は、できる限り早く追加接種を受けるように促している。初期データでは、追加接種を受けることで、デルタ株およびオミクロン株の発症予防効果が高まることが示されているためだ。

南アフリカでの初期分析のデータ(ワクチン接種率を基に調整済)によれば、オミクロン株の感染者が入院し始めている可能性がある現在の入院率は、2020年半ばに比べて約29%低いという。また同データでは、ファイザー&ビオンテック製のワクチンを2回接種した人がオミクロン株に感染した場合、ワクチン接種を受けていない人よりも約33%感染しにくく、また入院リスクは約70%低いことも示されている。

だが新型コロナに感染して治療を必要とする人の数となると、話は別だと当局者たちは言う。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

豊田織機の非公開化報道、トヨタ「一部出資含め様々な

ビジネス

中国への融資終了に具体的措置を、米財務長官がアジア

ビジネス

ベッセント長官、日韓との生産的な貿易協議を歓迎 米

ワールド

アングル:バングラ繊維産業、国内リサイクル能力向上
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 4
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 5
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 6
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 7
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 8
    ロケット弾直撃で次々に爆発、ロシア軍ヘリ4機が「破…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中