韓国、コロナ感染急増が生み出した「モンスター」地下駐車場運動族
韓国のマンション地下駐車場に夜な夜な出没する「モンスター」地下運動族 말왕TV / YouTube
<フィットネス大好きな韓国で、コロナ対策でジムが使えなくなった人びとの取った行動とは?>
韓国ではジム好きな人が多い。以前、韓国人の友人になぜか尋ねたところ、健康のためでもあるが、男性の場合せっかく軍隊で鍛えた筋肉なのに落ちていくのが嫌だから。という答えが返ってきて妙に納得した覚えがある。
ジムに通うのは何も若者だけではない。近所の健康センターにもジム施設があり、老若男女筋トレだけでなく、ヨガやズンバなどの教室に安価で参加できる。
また、公園にも簡単なフィットネス器具が置かれている場所があり、公園での運動を「コンスジャン」、山に設置されている運動器具場所を「サンスジャン」と呼ぶそうだ。ちょっと散歩に出ながら、機具で汗を流せる。登山の最中にまで運動をする。一体どれだけジムが好きなのだろう。
ところが、その大好きなジムが新型コロナウィルス感染拡大で使用禁止になってしまった(※現在は営業時間の制限付きで再開中)。このジム使用禁止期間中、エクササイズ好きの人びとは一体どこへ行ったのか?
ウイズコロナのエクササイズ「駐車場運動族」
韓国は、このコロナパンデミックで様々な新しいものを生み出したが、感染拡大から1年、新しく登場したのが「駐車場運動族」だ。
これは、文字通り「行き場を失ったエクササイズ好きの人びとが、マンションの地下駐車場で人知れず運動をすること」である。
韓国では1月大雪に見舞われ、外出が億劫になった人たちもこれに参加し、駐車場運動族が注目され、ニュースでも取り上げられるようになり、駐車場運動族人口がさらに増えたようだ。
駐車場の中とはいえ、ランニングや、ウォーキング、縄跳びなど基本的な運動はもちろん、ちょっとした段差を使って足の筋トレ、壁を利用した逆立ちなど工夫して体を鍛えている。さらに自分の車に機具を取り付けて本格的な筋トレに励む強者まで登場した。
とはいっても、駐車場での本来の目的は、車の駐車である。車が行き交う場所で駐車場運動族がウロウロしていては危ない。しかも同じ場所に留まって運動するのではなく、走り回るジョギング系駐車場運動族は、車の往来に注意が必要だ。そこで、マンション住民が寝静まった夜中12時以降に駐車場でジョギングを開始する「駐車場ヤギング(夜+ジョギング)族」なる言葉も誕生している。
こうなると、駐車場運動族に注意喚起する声も上がっている。そもそも、マンションの駐車場は地下に作られていることが多く、換気が悪い。そんな場所でエクササイズをすれば、車の排気ガスを吸い込んでしまい、逆に健康には良くないというのだ。確かに、地下駐車場では独特の排気ガスのにおいと重い空気を感じることが多い。