韓国では自治体もサポート パリ五輪から正式採用でブレイクダンスに注目
2024年パリ・オリンピックで追加される新種目として注目を集める「ブレイクダンス」 Carlos Barria - REUTERS
<時代に合わせてオリンピックにも次々と新しい競技が登場>
本来なら昨年、第32回オリンピック競技大会が東京にて行われるはずだった。しかし、コロナウイルスの世界的感染拡大で今年に延期された。しかしコロナの感染第3波で東京をはじめ首都圏では緊急事態宣言が再度発出されようとしており、東京五輪が無事に開催できるかどうか、世界が注目している。
一方、東京オリンピック・パラリンピックでは新たな競技が7種目も追加される点も関心を集めていた。日本で人気の高い「野球」や「空手」はもちろん、若者に人気のある「スケートボード」「サーフィン」。さらに、昨今ボルダリングが人気だが「スポーツクライミング」も新種目に追加されている。
さて、東京オリンピックもまだ開催前だが、先月7日IOC国際オリンピック委員会は、2024年パリ・オリンピックで追加される新競技の発表を行った。そこで高い関心を集めた新種目が「ブレイクダンス」だ。
ブレイクダンスは、1970年代アメリカのストリートから生まれたダンスで、ブレイキンやB-boyingとも呼ばれている。アクロバティックな技が次々と生み出され、ダンサー同士のダンスバトルなども行われている。
パリ・オリンピックでのブレイクダンスが新競技追加の決定に、世界中のダンサーたちは、金メダルへの闘志を燃やしている。お隣の国、韓国でもブレイクダンスは盛んなことで有名だ。2000年頃から世界大会進出などで上位に入賞するチームが増えているため、メダルも狙える競技の新種目追加に韓国民は沸き立っている
ミュージカルなどエンタメにも
韓国ではブレイクダンスが大衆にも広く認知されている。2005年前後から、このブレイクダンス人気をエンターテイメントと融合させる動きも活発に行われてきた。若者と芸術の街であるホンデにはブレイクダンス専門劇場が登場し、世界で初めてブレイクダンスと、言葉を使わず動きや音だけでストーリーを展開し、外国人観光客にも対応したノンバーバル・パフォーマンス『クン!』を発表した。その他にも『ブレイクアウト』というブレイクダンスのコメディ舞台なども存在する。
そして、Bボーイとバレリーナの恋を描いたミュージカル『B-BOYに恋したバレリーナ』は、何度もリバイバル公演を繰り返し、なんと130カ国180万名の観客を動員しているという。世界水準のダンスはもちろん、ダンサーたちの演技も素晴らしく、さらに題材もいじめや疎外感など若者が共感する内容になっているのが成功の要因だろう。