最新記事

NBA

元マイクロソフトのスティーブ・バルマーが、NBAオーナーとしておおはしゃぎ

2019年7月31日(水)18時40分
坂和敏

記者会見ではしゃぐバルマー NBA on ESPN-YouTube

<元マイクロソフトCEOのスティーブ・バルマーが、NBAチームのオーナーとして優勝まであと一歩で手が届く、というところまできている......>

元マイクロソフトCEOのスティーブ・バルマーという人ほど運に恵まれた人もいないのではないか?つくづくそう感じることがある。

マイクロソフトCEOの座を追われたバルマーが

バルマーというと、マイクロソフトCEO時代には「モバイル&クラウド」という業界的な流れの変化への対応で後手にまわり、なかなか株価を上げられず、結局CEOの座を追われた人物。あるいは、スカイプやノキアといった企業を高値掴みして、投資した金額に見合ったリターンを得られなかった人物......IT業界ではそうした見方をされることが多かった。

そのバルマーがいま、NBAチームのオーナーとして最高の名誉である優勝まであと一歩で手が届く、というところまできている。

※ロングバージョンは後ページに

バルマーは2014年8月に、NBAチームのロサンゼルス・クリッパーズ(LAC)を買った。上掲の動画は今年チームが開いた新加入選手の入団発表の記者会見の様子だ。現在のNBAでトップ10に数えられるスーパースター選手がふたり同時に加入とあって、たくさんの報道陣が集まっている。

「ダントツの最有力候補」に

NBAはいまちょうど大きな時代の変わり目を迎えている。6月のNBAファイナル(昨季の優勝決定シリーズ)で、ここ5年ほどほぼ無敵といわれたゴールデンステート・ウォリアーズ(GSW)が破れ、また同シリーズ中に中核選手の一人で現在NBAで実力ナンバー1のケヴィン・デュラントが大きなケガをして、シリーズ終了後にはフリーエージェントとしてブルックリン・ネッツ(BKN)に移ったことから、GSWの「王朝」が崩壊。同時に「スーパースターを3人(以上)集めるのが優勝への近道」といわれていたこれまでの定石が崩れ、とくにLACやGSWも所属する西地区ではファイナルに進出できそうな有力チームが6、7球団という、文字通り「戦国時代」「群雄割拠」という状態になっている。

そんななか、事前の予想でいまのところ「ダントツの最有力候補」とみられているのが、このLAC。トロント・ラプターズ(TOR)のエースとして「ひとりでカナダに優勝トロフィーをもたらした」とされるクワイ・レナード(ファイナルMVP;動画中のTシャツ姿の人物)と、昨季オクラホマシティー・サンダー(OKC)で獅子奮迅の働きをしながら途中で故障に泣いたポール・ジョージ(レギュラーシーズンMVP投票第3位、ジャケットの人物)が一緒にプレイすることになり、しかもLACにはいい脇役(ロール・プレイヤー)も複数いるので、この予想は極めて妥当なものと感じる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏支持率2期目で最低の43%、関税や情報管

ワールド

日本の相互関税24%、トランプ氏コメに言及 安倍元

ビジネス

米自動車関税、6000億ドル相当が対象 全てのコン

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、米相互関税発表受け
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台になった遺跡で、映画そっくりの「聖杯」が発掘される
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 6
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 7
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 8
    博士課程の奨学金受給者の約4割が留学生、問題は日…
  • 9
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 10
    トランプ政権でついに「内ゲバ」が始まる...シグナル…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 7
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 8
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 9
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中