「こうのとり」7号機、小型回収カプセルの回収に成功、その意義とは...
宇宙から帰還し、海上から回収された「こうのとり」7号機の小型回収カプセル (C) JAXA
<宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機から、小型回収カプセルの回収に成功した。その成果の意義とは...>
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2018年11月11日、国際宇宙ステーション(ISS)に補給物資を送り届けた宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機を大気圏に落下させ、運用を終了した。
「こうのとり」7号機には、初めてとなる小型回収カプセルが搭載されており、大気圏再突入の熱に耐え、太平洋上に着水。無事に回収に成功した。
このカプセルによって、ISSから研究成果・試料を持ち帰ることができるようになり、さらにその技術は、将来の有人宇宙船の開発にもつながると期待されている。
「こうのとり」7号機
「こうのとり」はJAXAが開発した無人の補給機で、ISSに物資を補給することを目的としている。1号機(技術実証機)は2009年に打ち上げられ、それ以来、今回の7号機まですべて成功している。
宇宙を飛ぶISSの運用にとって補給物資はまさに命綱であり、その安定的な運用と維持のため、そして運用を通じた国際貢献という点でも、「こうのとり」のミッションは非常に重要なものとなっている。
今回の「こうのとり」7号機は、9月23日に種子島宇宙センターから打ち上げられ、27日にISSに到着。滞在する宇宙飛行士によって、物資の搬出作業と、ISSで発生したゴミの搭載作業が行われた。
そして11月7日、「こうのとり」7号機はISSから分離され、地球に落下するコースに乗った。「こうのとり」には大気圏を突破する性能はないため、わざと壊れるように大気圏に落とし、ISSで積んだゴミとともに燃やして処分することになっている。
11月11日6時38分ごろ、「こうのとり」7号機は大気圏に再突入し、機体は処分された。機体の大半は燃え尽き、燃え残った破片があったとしても、すべて海に着水したものとみられる。