ジェフ・ベゾスは、宇宙でも堅実か? 来年にも宇宙旅行のチケット発売へ
ブルー・オリジンの宇宙旅行用ロケット「ニュー・シェパード」 (C) Blue Origin
<ジェフ・ベゾスの宇宙企業「ブルー・オリジン」が、重要な試験に成功し、来年にも搭乗券の販売を予定している>
実業家ジェフ・ベゾス氏の宇宙企業「ブルー・オリジン」は2018年7月19日(現地時間18日)、開発中のロケット「ニュー・シェパード」の、通算9回目となる試験飛行に成功した。先月には同社幹部が「2019年にも搭乗券の販売を開始したい」と発言するなど、宇宙旅行の実現がいよいよ近づいてきた。
ブルー・オリジンとニュー・シェパード
ブルー・オリジン(Blue Origin)は、Amazon.comの創業者でCEO、またワシントン・ポスト紙のオーナーとしても知られる大富豪ジェフ・ベゾス氏によって立ち上げられた宇宙企業である。
設立は2001年で、イーロン・マスク氏の宇宙企業「スペースX」よりも1年早い。知名度やTwitterのフォロワー数こそスペースXに負けるが、同じくらい高い技術力と、そしてスペースXを超える資金力をもつ有力企業である。
ニュー・シェパード(New Shepard)は同社が開発中のロケットで、高度100kmの宇宙空間まで到達する能力をもつ。
先端には「クルー・モジュール」と呼ばれるカプセル(宇宙船)が搭載されており、最大6人の乗員・乗客を乗せたり、実験・観測装置を積んだりすることができる。
先日打ち上げ実験を行った、インターステラテクノロジズのロケットと同じく、人工衛星を打ち上げる能力はないが、高度100kmといえば十分に宇宙なので、真っ暗な宇宙空間と青い地球を眺めることができる。また、自由落下中の宇宙船の中は微小重力環境(いわゆる無重力状態)になるため、わずか数分間ではあるものの、「宇宙旅行」を楽しむことができる。
また、ロケットも宇宙船も再使用することができ、運用コストの低減が図られている。
打ち上げを待つ宇宙旅行用ロケット「ニュー・シェパード」 (C) Blue Origin