汚職摘発に熱心だったサウジ皇太子、ケタ違いの贅沢が明らかに
17世紀のフランスの城を模した世界一高額な家の買い手はサウジの皇太子だった Charles Platiau-REUTERS
<7月に王位継承者となって以来、身内の王族も容赦しない汚職摘発でクリーンさをアピールしてきたムハンマド皇太子の天文学的買い物リストが明らかになった>
サウジアラビアの皇太子で経済改革のリーダーを自任するムハンマド・ビン・サルマンが、世界で最も高額な邸宅を3億ドルで購入していたことが明らかになった。
邸宅はパリ郊外のルーヴシエンヌにあり、「ルイ14世の城」と呼ばれている。2015年に売却されたときは、誰が買ったのかわからずじまいだった。それがムハンマド皇太子だったことを、ニューヨーク・タイムズ紙が報じた。記事はまた11月、レオナルド・ダ・ヴィンチの「サルバトール・ムンディ(救世主)」を美術作品としては過去最高の4億5000万ドルで落札したのも、ロシアのウォッカ会社の投資家から5億ドルのヨットを購入したのも、ムハンマドだった、と報じている。
「ルイ14世の城」は、数年前に建ったばかりだが、17世紀のフランスの城を忠実に再現した外観と豪華な内装で知られる。広大な来客用スウイートルームが10室あるほか、バー、屋内スカッシュコート等々、近代的な娯楽施設も整っている。アメリカのセレブ、キム・カーダシアンが、カニエ・ウェストとの結婚式会場の候補として足を運んだ建物でもある。
ムハンマドがこの邸宅の所有者であることを2年にわたって伏せることができたのは、ルクセンブルクとフランスに設立した複数のペーパーカンパニーを通じて購入したためだ。それらの会社は、最終的にムハンマドの投資会社エイト・インベストメント・カンパニーの所有となっている。