最新記事

天皇

昭和天皇独白録「原本」、3000万円で高須クリニック院長が落札

2017年12月7日(木)18時07分

12月7日、昭和天皇が側近に語った内容をまとめ、1990年に出版された「昭和天皇独白録」の原本とされる文書が6日、ニューヨークで競売にかけられ、美容外科医の高須克弥氏が27万5000ドル(手数料込み)で落札した。提供写真(2017年 ロイター)

昭和天皇が側近に語った内容をまとめ、1990年に出版された「昭和天皇独白録」の原本とされる文書が6日、ニューヨークで競売にかけられ、美容外科医の高須克弥氏が27万5000ドル(約3000万円、手数料込み)で落札した。

文書は米軍占領下の1946年に昭和天皇が回想し、元外交官で通訳を務めていた寺崎英成氏が記録した。1920年代からの出来事がつづられている。オークションを主催した競売商ボナムズによると、昭和天皇は文書の最後で、開戦に反対すれば国内で対立が起き、事態がさらに悪化しただろうと語っている。

高須氏はロイターの取材に対し「昭和天皇の心の中のことを側近が書きとめたもので、日本国内に置くべきもの。皇室、天皇のDNAを引かれる方々と日本国民に対するメッセージだと思う」と述べた。

高須氏は美容外科「高須クリニック」の院長。テレビなどにも出演している。

高須氏を巡っては、ナチス・ドイツのアドルフ・ヒトラーを賛美し、ユダヤ人大虐殺や旧日本軍の南京大虐殺を「捏造(ねつぞう)だと思う」などとツイッターに投稿したとして、米国のユダヤ人人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」から批判されたことがある。

高須氏はロイターに「何もなかったと言っているわけではない」と説明。「(アウシュビッツ強制収容所で)600万人、700万人殺されたと言われているが、実は何万人ぐらいのものではなかったんじゃないか。(南京で)30万人殺されたと言われているが、本当は6000─7000人だったのではないかということを言いたかった」と語った。

ボナムズは文書の落札価格を10万から15万ドルと予想していた。

(編集:田巻一彦)

[東京 7日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

午後3時のドルは153円半ば、日銀の追加利上げ思惑

ビジネス

ホンダが11%超高、日産が経営統合撤回との報道で

ビジネス

テスラ、欧州5カ国で1月の販売が低調 マスク氏の政

ワールド

米、SHEIN・Temuを「強制労働」リストに追加
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:中国経済ピークアウト
特集:中国経済ピークアウト
2025年2月11日号(2/ 4発売)

AIやEVは輝き、バブル崩壊と需要減が影を落とす。中国「14億経済」の現在地と未来図を読む

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」を予防するだけじゃない!?「リンゴ酢」のすごい健康効果
  • 2
    「体が1日中だるい...」原因は食事にあり? エネルギー不足を補う「ある食品」で賢い選択を
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    マイクロプラスチックが「脳の血流」を長期間にわた…
  • 5
    中国AI企業ディープシーク、米オープンAIのデータ『…
  • 6
    脳のパフォーマンスが「最高状態」になる室温とは?…
  • 7
    DeepSeekが「本当に大事件」である3つの理由...中国…
  • 8
    「靴下を履いて寝る」が実は正しい? 健康で快適な睡…
  • 9
    AIやEVが輝く一方で、バブルや不況の影が広がる.....…
  • 10
    メキシコ大統領の外交手腕に脚光...「トランプ関税」…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」を予防するだけじゃない!?「リンゴ酢」のすごい健康効果
  • 4
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 5
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 6
    「靴下を履いて寝る」が実は正しい? 健康で快適な睡…
  • 7
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 8
    老化を防ぐ「食事パターン」とは?...長寿の腸内細菌…
  • 9
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 10
    「やっぱりかわいい」10年ぶり復帰のキャメロン・デ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 9
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 10
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中