最新記事

アメリカ社会

「セックスしている子もいるけど私はしたくない」 アメリカの女子大生に浸透するパパ活とは

2017年11月13日(月)18時25分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

写真はイメージです。 Juanmonino-iStock.

<シュガー・ベビーになれば、学費ローンの返済も恐くない...!? アメリカの女子大生の間でにわかに注目を集める「資金調達方法」とは>

日本では大学の学費の上昇のあおりを受けた女子学生が、経済的に余裕のある高所得の男性に援助を受ける「パパ活」の存在が報じられている。これは他の国の学生にも起きているようだ。アメリカでは、大学や大学院の学費をローンで賄い、卒業と同時に莫大な額の借金を背負うことが多い。

米シンクタンク、ピュー・リサーチセンターの調査によると、大学入学者数の増加や授業料の値上げなどで、アメリカの大学生の借金額はここ10年で2.5倍以上になった。米地方紙カンザスシティー・スターはその借金を恐れた女子大学生が「シュガー・ベビー」として、生活を助けてくれる「シュガー・ダディ」を募集していると指摘する。女子大生とパトロンをつなぐシステム、いわばアメリカ版「パパ活」だ。

女性がパトロンを探すために使うマッチングサイトのひとつ「SeekingArrangement.com」は、2006年にマサチューセッツ工科大学(MIT)卒業生ブランドン・ウェイドによって設立された。登録者は世界約140カ国で1050万人にのぼり、このうち8割が何らかの支援を求める女性だ。2016年には、このうち約250万人が借金を抱える学生のシュガー・ベビーだったという報告がある。

この仕組みは、学費に苦しむ若者に「素晴らしいリソース」を提供すると謳われるが、売春の温床になる可能性を危惧する声も多い。社会的に弱い立場にある学生は搾取されかねない。

場合によっては、契約の条件に肉体関係が含まれることもある。

クリスティーナの場合

ラスベガスに住む29歳のシュガー・ベビー、クリスティーナ(ミシガン州立大学のオンラインMBAコース在学)は、米ニュースサイトのビジネスインサイダーに自身の経験を赤裸々に語った。

クリスティーナはファッションデザインとマーチャンダイジングの学士号を取得していたが、同時にオークランド大学で政治学と法律学も学んでいた。学費は膨らみ「私は何年も何年も(ローン返済を)支払うつもり」だったという。そんなとき、女友達から勧められた「SeekingArrangement.com」に登録した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ノババックス、サノフィとコロナワクチンのライセンス

ビジネス

中国高級EVのジーカー、米上場初日は約35%急騰

ワールド

トランプ氏、ヘイリー氏を副大統領候補に検討との報道

ビジネス

米石油・ガス掘削リグ稼働数、3週連続減少=ベーカー
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    地下室の排水口の中に、無数の触手を蠢かせる「謎の…

  • 5

    横から見れば裸...英歌手のメットガラ衣装に「カーテ…

  • 6

    ブラッドレー歩兵戦闘車、ロシアT80戦車を撃ち抜く「…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    アメリカでなぜか人気急上昇中のメーガン妃...「ネト…

  • 9

    「終わりよければ全てよし」...日本の「締めくくりの…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 5

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 6

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 9

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中