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中東サウジ、王子や閣僚ら拘束 汚職対策通じムハンマド皇太子が権限強化
11月5日、サウジアラビアのサルマン国王の子息ムハンマド皇太子が率いる汚職対策委員会は、同国の富豪で著名投資家アルワリード・ビン・タラール王子(写真)ら11人の王子や現職閣僚4人のほか、元閣僚ら数十人を拘束した。5月撮影(2017年 ロイター/Hamad I Mohammed)
サウジアラビアのサルマン国王の子息ムハンマド皇太子が率いる汚職対策委員会は、同国の富豪で著名投資家アルワリード・ビン・タラール王子ら11人の王子や現職閣僚4人のほか、元閣僚ら数十人を拘束した。3人の政府高官が5日、ロイターに明らかにした。
アルワリード王子は投資会社キングダム・ホールディング<4280.SE>を所有し、米金融大手シティグループや短文投稿サイトの米ツイッターに出資している。
汚職対策委は国家警備相を務めるムトイブ王子も拘束。同氏は職を解任された。
汚職対策委はサルマン国王が国王令により設置を命じたばかりで、容疑者に対する捜査や逮捕状の発行、渡航制限、資産の差し押さえなど広範な権限を与えられている。
国王令には「汚職を根絶し、犯罪者に責任を取らせない限り、自国は存続できない」と記されている。また、今回の拘束について、「不当に富を得るために公益よりも自身の利益を優先させ、権力を悪用した」ことが理由だと説明した。
アナリストらは、ムハンマド皇太子(32)が権力基盤を強化するため、国内の実力者を封じ込める狙いがあると分析している。
ムハンマド皇太子はわずか3年ほど前まではサウジ国内でほとんど無名の存在だったが、短期間で権力の座に駆け上がった。
サウジアラビアの主要株価指数<.TASI>は王子や閣僚ら拘束のニュースを受けて一時下落したが、すぐに上昇に転じ、前日より値を上げて引けた。長期的に改革が促進されるとの一部の期待を反映した。
拘束された有力者にはファキーフ経済計画相や国営石油会社サウジアラムコの取締役であるイブラヒム・アッサーフ元財務相、元リヤド州知事らが含まれる。また、建設大手ビンラディン・グループのバクル・ビンラディン会長やテレビ局MBCの所有者であるアルワリード・イブラヒム氏も拘束された。
情報筋などによると、有力者の少なくとも一部はリヤドの高級ホテル「リッツ・カールトン」で拘束されているという。
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