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ドイツ独メルケルの4期目続投に暗雲 連立協議決裂で再度選挙の可能性
11月19日、ドイツのメルケル首相(写真右)が率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)、自由民主党(FDP)、緑の党による連立協議が19日、決裂した。親ビジネスのFDPが妥協できない意見の相違を理由に協議から撤退した。写真はベルリンで19日撮影(2017年 ロイター/Axel Schmidt)
ドイツのメルケル首相が率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)、自由民主党(FDP)、緑の党による連立協議が19日、決裂した。企業寄りのFDPが、妥協できない意見の相違を理由に協議から撤退した。
これにより、メルケル首相が緑の党と少数与党政権の樹立を目指すか、新たな選挙が実施されることになる。
FDPは、移民・難民や環境など主要な政策で妥協点を見いだせなかったと主張。リントナー党首は記者団に「今日の協議は進展しなかったどころか、むしろ後退した。妥協を探っていた点について疑問が呈されたからだ」と述べた。「不誠実に政権参加するなら、しないほうがましだ」と強調した。
再選挙となれば9月の選挙で国政に初進出した極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」がさらに得票率を伸ばす可能性もあるため、CDU・CSUなどはこれを回避したい考え。
欧州最大の経済大国ドイツでの政治空白は、ユーロ圏改革や欧州連合(EU)の対ロシアなど外交政策に影響が及ぶ可能性がある。
メルケル首相は20日、シュタインマイヤー大統領に会い、緑の党と自由民主党(FDP)との連立政権を樹立できなかったと伝える、と表明した。
また、主な障害は移民問題だったとした。
大統領は新たな選挙を求める権限を有しており、メルケル首相が大統領との面会を決めたことは、FDPが連立協議から撤退したのを受け、同首相が緑の党と少数与党政権の樹立を目指さない可能性を示唆する。
メルケル首相は記者団に対し「首相として、今後の困難な数週間にこの国がうまく運営されるようにするために何でもやる」と述べた。
少数与党政権の樹立や再選挙は、第2次世界大戦後、前例がない。
連立協議決裂を受けて、ユーロは対円で2カ月ぶりの安値に下落した。
3党は4週間以上にわたって、連立協議を進めてきた。
CDU・CSUは、ドイツが受け入れる難民の数に年間の上限数を設ける方針を示していたが、緑の党がこれに反対。
FDPのリントナー党首は、安定した政権を4年間継続するための十分な信頼関係が3党の間で築けなかったとコメントした。
ドイツ商工会議所(DIHK)のエリック・シュバイツァー会長は「国の将来を左右する重大問題への対応が長期にわたって遅れる恐れがある」と指摘。「ドイツ企業は不透明感が長期化するリスクに備えるべきだ」との見方を示した。
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