中国から労働者を閉め出された北朝鮮 開城工業団地をひそかに再稼働
ところが、今月になって北朝鮮が閉鎖された開城工業団地内の工場を密かに稼動しているという報道が出てきた。
米国の北朝鮮専門メディア、自由アジア放送は北朝鮮が開城工業団地内の韓国側の衣類工場19ヵ所を密かに稼動していると報道。中国の対北朝鮮消息筋によると、韓国政府と事前協議なしに北朝鮮の国内用衣類と中国から持ち込んだ生地を再加工した製品を作っているという。
再稼働にあたって北朝鮮当局は軍事産業用電気を供給。セキュリティに特別に気をくばり、外から覗かれたり明かりが漏れないように、徹底的に仕切りで遮断しているという。しかも再稼動してから既に6カ月経っているそうだ。
韓国メディアMBCによれば、韓国政府はこの報道を受けて事実確認に着手した。韓国統一部の関係者は「開城工業団地の資材の無断使用は、韓国国民の財産を侵害する不法行為だ。事実なら、北朝鮮は直ちに中止しなければならない」と発言した。
だが、韓国政府が調査を始める必要はなくなった。北朝鮮は6日、対韓国窓口機関である祖国平和統一委員会のウェブサイト「わが民族同士」に個人名の論評として、「わが共和国の主権が行使される工業地区で私たちが何の仕事をしても、それに対して誰も干渉することではない」「我が国の勤労者が今どのように堂々と働いているかについては目が節穴でなければ、はっきり見えるだろう」と、まるで開き直るかのように開城工業団地での工場再稼働を認めたからだ。
この論評は続けて「米国とその手下たちがいくら吠えたて、制裁圧殺のレベルを高めるためにわめきちらしても、我々の力強い前進を妨げられないし、工業地区の工場はさらに力強く動くのだ」と、今後さらに工場を本格稼働させていく可能性すらうかがわせている。