最新記事

移民

不法移民の子「ドリーマー」容認巡り、議会対応に揺れるトランプ

2017年9月29日(金)14時57分

9月28日、トランプ米大統領が、幼少期に親と不法入国した「ドリーマー」の対応で揺れている。トランプ氏は、共和党の保守派議員に対して「ドリーマー」保護の法案策定を促している。写真は5日、カリフォルニア州サンディエゴで行われたDACA制度支持の集会(2017年 ロイター/John Gastaldo)

トランプ米大統領が、幼少期に親と不法入国した「ドリーマー」の対応で揺れている。トランプ氏は、共和党の保守派議員に対して「ドリーマー」保護の法案策定を促している。ただ、こうした働きかけは「ドリーマー」の問題で歩み寄りつつある野党民主党との距離を広げる可能性がある。

大統領は今月に入り、民主党のシューマー上院院内総務とペロシ下院院内総務を招いて夕食会を開き、約80万人いるとされる「ドリーマー」保護で民主党に譲歩する姿勢を示した。

ホワイトハウス当局者は、トランプ氏は「ドリーマー」支援の条件として、必ずしもメキシコ国境の壁建設の費用を要求するわけではないとコメント。これを受け、トランプ氏の支持基盤である保守派からは批判が噴出した。

一方、トランプ氏とペンス副大統領などは、反移民の議員も含め、多くの共和党議員に対して「ドリーマー」保護の法案策定を働きかけている。

ペンス副大統領は最近、自宅に共和党の保守派議員を招き夕食会を開いた。参加者の1人、マーク・ウォーカー議員によると、トランプ氏は「ドリーマー」の法案策定で保守派議員からの意見を求めており、意見を出さない議員は議論から外す方針。

ホワイトハウス当局者によると、「ドリーマー」の問題で他に選択肢がない場合にトランプ氏は、民主党や共和党の穏健派と喜んで協力するという。

トランプ氏は、法案策定の議論に保守派も参加させることで、支持基盤からの反発を最小限に抑えたい考えのようだ。ただ、保守派からの意見を反映し過ぎた場合、民主党との協力が台無しになる可能性がある。

[ワシントン 28日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ガザ難民キャンプ、イスラエルの空爆で8人死亡=医療

ワールド

ロシア西部クルスク州にウクライナのミサイル、6人死

ワールド

米、中国半導体設計会社をブラックリストに ファーウ

ビジネス

ユーロ圏消費者信頼感指数、12月はマイナス14.5
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:アサド政権崩壊
特集:アサド政権崩壊
2024年12月24日号(12/17発売)

アサドの独裁国家があっけなく瓦解。新体制のシリアを世界は楽観視できるのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 2
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 3
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──ゼレンスキー
  • 4
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達し…
  • 5
    【クイズ】世界で1番「汚い観光地」はどこ?
  • 6
    国民を本当に救えるのは「補助金」でも「減税」でも…
  • 7
    クッキーモンスター、アウディで高速道路を疾走...ス…
  • 8
    「え、なぜ?」南米から謎の大量注文...トレハロース…
  • 9
    大量の子ガメが車に轢かれ、人間も不眠症や鬱病に...…
  • 10
    「中国を止めろ!」沖縄上空で米軍<核>爆撃機と航…
  • 1
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──ゼレンスキー
  • 2
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いするかで「健康改善できる可能性」の研究
  • 3
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達した...ここまで来るのに40年以上の歳月を要した
  • 4
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 5
    ウクライナ「ATACMS」攻撃を受けたロシア国内の航空…
  • 6
    電池交換も充電も不要に? ダイヤモンドが拓く「数千…
  • 7
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医…
  • 8
    「どんなゲームよりも熾烈」...ロシアの火炎放射器「…
  • 9
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 10
    【クイズ】アメリカにとって最大の貿易相手はどこの…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?
  • 4
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 5
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 6
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 7
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 8
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 9
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、…
  • 10
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中