トランプが北朝鮮制裁強化を指示 金正恩は「最も強硬な対抗措置」検討
ホワイトハウスはその後発表した声明で、エネルギー、医療、鉱山、繊維、輸送関連業界が制裁の対象になることを明らかにした。大統領令による追加制裁は、国連演説で軍事行動の可能性を示唆したトランプ大統領が北朝鮮を経済的に圧迫することに時間をかけていることを示す。
ムニューシン米財務長官は21日、大統領がこの日署名した対北朝鮮制裁を強化する大統領令の下、北朝鮮と取引のある銀行には米国内での営業を許可しないと表明。記者団に対し「いかなる国のいかなる銀行も、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の破壊的な行為の支援に利用されてはならない」とし、「外国の金融機関には米国と取引するか、北朝鮮と取引するか、今後は選ぶ必要があると通達した」と述べた。
ティラーソン米国務長官は20日、北朝鮮への制裁により、同国で燃料不足が生じ始めていることを示す「複数の兆候」が見られると明らかにした。
北朝鮮の代表は20日遅く、ジュネーブで開かれた国連子どもの権利委員会のパネルで、制裁は北朝鮮の子どもたちを危険にさらすと訴えた。
北朝鮮問題を巡り、安倍首相は、対話を目的とした対話によって結果は生まれないとし、断固として北朝鮮に対する圧力を強めるよう要請している。
文大統領はトランプ大統領との会談前に国連総会で行った演説で、北朝鮮を対話の席につかせるために制裁や圧力が必要としつつも、北朝鮮の崩壊は望んでいないと語った。
そのうえで「戦争の勃発を回避し、平和を維持するため、たゆまぬ努力が必要」と述べ、安定した方法で核問題を解決していく必要性を訴えた。
中国の王毅外相は21日、国連総会で行った演説で北朝鮮に対し、核開発プログラムを巡りこれ以上「危険な方向」に進まないよう呼び掛けるとともに、同国の核・ミサイル開発を巡る問題の解決には協議以外の道はないとの考えを示した。トランプ大統領が北朝鮮制裁強化に向けた大統領令に署名したことには触れなかった。
王外相はその後の安保理会合で「敵対と制裁ばかりでは衝突がエスカレートするだけだ」と述べた。