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メディアシカゴ・トリビューン発行元、NYデイリー・ニュースを1ドルで買収 デジタル拡大狙う
9月5日、「シカゴ・トリビューン」や「ロサンゼルス・タイムズ」など米有力地方紙を発行する新聞大手トロンクは、新聞や不動産業界で著名なモーティマー・ズッカーマン氏から「ニューヨーク・デイリー・ニュース」を買収したと明らかに。写真は3月、ニューヨークのスタンドで撮影(2017年 ロイター/Brendan McDermid)
「シカゴ・トリビューン」や「ロサンゼルス・タイムズ」など米有力地方紙を発行する新聞大手トロンクは、新聞や不動産業界で著名なモーティマー・ズッカーマン氏から「ニューヨーク・デイリー・ニュース」を買収したと明らかにした。
トロンクが5日公表した届出書類によると、同社は1ドルの現金を支払った上で、ニューヨーク・デイリーの債務を肩代わりする。具体的には2650万ドルの年金債務と約3500万ドルの保険・報酬支払いを引き受ける。
ニューヨーク・デイリーは100年近い歴史があるタブロイド紙で、ピート・ハミル氏やジミー・ブレスリン氏といった著名なコラムニストが寄稿している。ただ、新聞業界全般の流れに沿った形で業況は下り坂をたどっており、「ニューヨーク・ポスト」など他のタブロイド紙と購読者や広告の獲得競争を強いられている。
一方でトロンクは、ニューヨーク・デイリーがウェブサイトだけの購読者を月間2500万人抱えている点に関心を持ち、トロンクのデジタル購読者層拡大が期待できるとみている。
コーエン・アンド・コーのアナリスト、ランス・ビタンザ氏は調査ノートで、ニューヨークはトロンクの事業基盤において明らかな空白部分だったと指摘し、買収によって同社は今後12─18カ月に利益とフリーキャッシュフローが増大すると予想した。
トロンクは4日夜、ニュージャージー州の印刷所を所有するズッカーマン氏関連の企業との合弁事業に49.9%出資する方針も示した。
ズッカーマン氏はニューヨーク・デイリー売却の意向を2015年2月に明らかにし、当時は売却価格を2億ドルと見込んでいた。だが、同年8月に売却を撤回していた。